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【最新】シンガポールのクレジットカード事情を徹底解説~おすすめのクレジットカードもご紹介~

シンガポールではクレジットカードが多岐にわたり活用されています。家賃の支払いにクレジットカードを利用したり、デビットカードやQRコードなどのキャッシュレス決済に適用したりでき、多種多様な特典を利用してポイントやマイルを貯めることも可能です。このようなシンガポールのクレジットカード市場やキャッシュレス決済事情について、カード発行会社の情報も含め徹底解説します。

シンガポールのクレジットカード市場

シンガポールのカード決済市場は、拡大傾向にあり、2024年には14.3%増のS$1,621億(US$1,207億)に達する見通しです。(参考:GlobalData)金融サービス消費者調査によると回答者の70%以上が非接触型カードを利用し、支払いにも活用しているとされています。2023年にはクレジットカードとチャージカードがカード決済総額の65.6%を占める見通しで、今後も成長を続けると予想されています。

シンガポールのクレジットカード業界の動向

クレジットカード市場の成長理由として挙げられるのが政府や銀行による電子決済の推進や決済インフラの整備です。特に決済インフラ面においては、100万人当たりのPOS端末普及台数は53,562台と普及率はアジア諸国の中でも韓国に次ぐ高い水準にあります。これには政府の資金助成金を受けられることが後押ししていると見られます。

また、シンガポール政府は2014年に「スマートネーション」構想を発表し、デジタル身分証明書を活用した包括的な行政サービスを開始しました。これによりオンライン送金やQR決済が一気に加速しました。その他公共交通機関においてもクレジットカードのみで乗車可能とするなど、次々とカード決済を利用したプロジェクトを推進しています。

最近の政府の狙いは、シンガポール同様に急成長している東南アジアのデジタル経済を取り込むことと見られています。東南アジアのデジタル経済はEコマースが主に成長を支えており、2025年にその経済規模はUS$3,000億近くまで達すると言われています。同時にアジア金融の中心地として、ロンドンや香港など、他の金融主要都市との競争力を得るためにテクノロジーを重視しています。

シンガポールのキャッシュレス決済事情

シンガポール政府は2025年までに「キャッシュレス社会ではなく、キャッシュを減らし電子決済を増やす」とし、小切手廃止に加え、ATMでの現金引き出しも減らす方針にしています。政府が支援する即時送金が可能な電子決済「Pay Now」の利用者はシンガポール在住者及びシンガポール企業の80%にも達しています。

一方で日本のキャッシュレス決済の利用率は、経済産業省が発表した2023年のデータによると、未だに39.3%だと示されています。このことから、日本と比べてもシンガポールはキャッシュレス決済がとても普及している国だと言えるでしょう。

デビットカード

クレジットカードは非常に便利ですが、気を抜くと使いすぎてしまいがちです。そこで、支払いと同時に口座から引き落としがされるデビットカードの利用についても見てみましょう。

公益財団法人 国際通貨研究所が2024年に発表したデータによると、シンガポールのデビットカード保有率は94%、また、「15歳以上の銀行口座保有率」は98%です。

DBS銀行と合併したPOSB銀行(Post Office Saving Bank)によれば、外貨取引の管理手数料は換算したS$の最大2.65%、シンガポール国内取引においてはVISA/MASTER CARDによる1%の手数料を含んだ2.8%の管理手数料が加算されます。

QRコード決済

シンガポールではクレジットカード利用者の割合が多くはありますが、QRコード決済のシェアも急成長を遂げています。2017年から2022年の間にQRコード決済は年平均成長率(CAGR)72%で大幅に増加し、デジタルウォレット取引の3%を占めるに至りました。2022年から2026年の間には、年平均成長率36%で成長すると予測されています。QRコード決済の導入コストなどはクレジットカード決済と比較すると低く、今後も小売店などで利用が増加すると見込まれています。

シンガポールのQRコード決済の主要システムはNETSやPayNow、GRAB Payなどです。特にNETSはホーカーや学校の食堂なども含む30,000以上の受け入れポイントで利用可能とされています。

シンガポールでは2018年から「SGQR(Singapore Quick Response Code)」という、複数のQRコード決済サービスを1つのコードで処理できるよう共通QRコードシステムが導入されています。ユーザーは自分が使用するアプリがSGQRに対応していれば、同コードにかざすだけで決済可能です。非常に利便性が高く、海外旅行者でも対応している決済方法があればSGQRを活用できます。

また、ASEAN域内ではシンガポール、タイ、マレーシア、インドネシア間でそれぞれの国を跨いだQR決済が可能となっています。交換レートは支払い前に明確になり、決済手数料は無料です。日本も2025年を目処にASEAN諸国と相互連携利用を可能にする方針です。

シンガポールでのクレジットカードの作り方

日本のクレジットカードと同じく、シンガポールのクレジットカードもポイントやキャッシュバックといった特典のある多種多様なカードがあります。「海外の人がクレジットカードを発行できるのか?」と疑問に思うかもしれません。実際に、シンガポールのクレジットカードは、発行する上での収入条件が厳しいことがあります。

例えば、Citi Cash Back+ Cardでは海外からの人は年収S$42,000以上という条件が課されているので、まずは発行したいクレジットカードの収入条件をクリアしているのかをチェックするようにしましょう。

収入条件や、クレジットカード発行における年齢条件をクリアできていれば、シンガポールのクレジットカードは必要書類があれば発行できます。

【必要書類】
・有効期限が6ヶ月以上のパスポートと就労許可証の写し
・名前と住所が記載された公共料金か電話料金の支払書、または銀行取引明細書
・所得税通知と電子印刷された給与明細
参考:Citi Cash Back+ Card(MasterCard)

クレジットカードによって必要書類が異なる場合ありますので、申請前に必ず公式HPを確認しましょう。

クレジットカードでポイントやマイルを貯める

クレジットカードを発行する大きなメリットに支払に付随するポイントやマイルがあります。例えば、Citi Cash Back+ Cardは、利用額の1.6%のキャッシュバックがあり、提携店舗の割引特典もあります。他にも、分割払いやキャッシュローンなどもあるので、大きな出費が必要となった場合にとても便利です。家賃をクレジットカードで支払うこともできる場合もあり、海外にいても多くのポイントを獲得することができます。

シンガポールおすすめクレジットカード

次に、シンガポールでおすすめのクレジットカード企業を紹介します。

JCB

JCBは日本で生まれた、ただひとつの国際カードブランドです。シンガポールの3大主要銀行であるDBS Bank、Oversea-Chinese Banking Corporation Limited (OCBC)、United Overseas Bank Limited(UOB)をはじめ、2024年にはシンガポール大手金融機関の MAYBANK SINGAPORE LIMITEDのJCB加盟店での取り扱いを開始し、タッチ決済(JCB コンタクトレス)の店舗も拡大しています。

シンガポールにはカード会員専用の日本語サービス「JCBプラザ・オンライン相談受付」があり、JCB加盟店情報、優待情報そして観光情報までも案内を受けることができます。また、レストランやエステなどJCB加盟店の予約代行も可能です。優待には人気観光地、テーマパークの割引や一度は泊まってみたいホテルの割引、シンガポールならではのアフターヌーンティーやチリクラブの名店での特典などが豊富で、シンガポールに行くなら必ず1枚は持っておきたいカードです。最新のJCB優待はコチラからご確認ください。

※シンガポールでの発行はできないため、日本滞在中にカードの作成が必要です。

DBS

アジア全土にネットワークを張るDBSは、シンガポール開発銀行として創設された銀行です。19か国の280以上の支店を通じて広範囲の金融サービスを提供しています。

2023年には「World’s Best Bank for Corporate Responsibility」、「Asia’s Best Bank for Wealth Management」など数々の名高い賞を受賞しているDBSは、バラエティ豊富なクレジットカードがあり、自分の希望に合ったクレジットカードを見つけられることでしょう。

三井住友銀行

2005年に中国銀聯との提携を開始し、2008年にはアジア各国の金融機関との提携をすることでグローバルサービスネットワークをすることを目的とした「GlobePass」を設立しています。

アジアでもとりわけクレジットカード市場の成長率が高いことに注目した三井住友銀行は、シンガポールも含めた東南アジア市場に注目し、2014年、三井住友カードの拠点をシンガポールに設置。以来、急速に成長するマーケットの変化や課題に対応した、多様なソリューションを提供しています。

マスターカード

「Mastercard Priceless™️ Specials」を提供し、マスターカード会員は世界中でプライスレスな体験や優待特典などが受けられます。旅行、ダイニング、スポーツ、ショッピング、レジャーシーンにおいて、それぞれのマスターカードステイタスに応じてディスカウントや優待特典があります。期間に応じて特典内容も変更されるため、詳細はホームページでご確認ください。

VISA

VISAにはクレジットカード、デビットカード、プリペイドカードがあり、世界2,00万台以上のATMで利用できるので、利用可能場所に困ることはありません。

コンシェルジュサービスを特典として付帯するVISAカードを保有するカードホルダーは、24時間365日に渡ってコンシェルジュのサポートを受けられます。旅行やサービスの予約、旅行案内を受けられるので、忙しい中での旅行のプランなども立てやすくなります。また、VISAプラチナカードでは、「Agoda.com」などの提携店をお得に利用できるなどの優待サービスも付帯しています。

AMERICAN EXPRESS

アメックスプラチナカードを所有すると「Platinum Wellness」や「Platinum Golf」にて、スパ特典やゴルフの特典などを通して日々の仕事で疲れた体を労るサービスを利用できるようになります。また、シンガポール航空のKrisFlyerマイルが貯まる、The American Express® Singapore Airlines KrisFlyer Credit Cardもあります。カード特典として、初年度会費が無料、シンガポール航空チケット購入でS$150キャッシュバック、S$1ごとの2マイル付与などがあり、シンガポール航空の利用者にとっては有利なカードです。また、Grab利用においてもS$1につき2マイル付与の特典があります。(2024年10月25日時点有効)最新情報は公式HPをご覧ください。

CITI

1902年にシンガポールに設立された老舗銀行のCitiabnkは、シンガポールの消費者、企業、政府、機関に幅広い金融商品とサービスを提供するフルサービス銀行に成長しました。Citiabnkが発行するCiti Cash Back+ Cardは、キャッシュバック還元率が1.6%と非常に高く、利用者は数多くの提携レストランで割引特典を受けられることも特徴の一つです。

Citi PremierMiles Cardでは、現地でのご利用S$1ごとに1.2シティマイル、ご利用の外貨 S$1 ごとに新たに 2.2 シティマイルが貯まる高還元率、空港ラウンジサービス、提携観光地での割引などの特典があります。

充実したシンガポール生活にはクレジットカードが必須

キャッシュレス決済が普及しているシンガポールでは、有用なクレジットカードが多数あり、QRコードやデビットカードも多く活用されてます。各クレジットカード会社の発行条件や各特典をチェックして、自分のニーズやライフスタイルに適したクレジットカードを選び、上手に使いこなすことが求められます。

●記事内容は執筆時点の情報に基づきます。

●最新情報は公式サイトなどをご確認ください。


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