【2023年】シンガポールの世界TOPクラス3大銀行～ 銀行口座の開設手続きも解説～

シンガポールの銀行は「World’s Safest Banks 2022」でアジアのトップ3を占拠し、財務の健全性や安全が認められています。それに加えて、政治的安定の高さ、能力の高い人材の多さなどからシンガポールの銀行は世界の企業や投資家からも常に注目の的です。そんなシンガポールの主要な銀行、口座の開設方法をご紹介していきます。

シンガポールの3大銀行

金融情報誌「Global Finance」が選ぶ「World’s Safest Banks 2022」のランキングアジアで1・2・3位に選ばれているシンガポールの3大銀行をご紹介します。まずはランキング表をご覧ください。

World’s Safest Banks 2022　Global Top 50

1	KFW	Germany
2	Zuercher Kantonalbank	Switzerland
3	BNG Bank	Netherland
4	Landwirtschaftliche Rentenbank	Germany
5	Nederlandse Waterschapsbank	Netherland
6	L-Bank	Germany
7	Kommunal banken	Norway
8	NRW.BANK	Germany
9	Swedish Export Credit Corporation	Sweden
10	Caisse des Depots et Consignations	France
11	Royal Bank of Canada	Canada
12	DBS Bank	Singapore
13	Oversea-Chinese Banking Corporation	Singapore
14	Svenska Hendelsbanken	Sweden
15	United Overseas Bank	Singapore
16	Korea Development Bank	South Korea
17	Export-Import Bank of Korea	South Korea
18	Banque Cantonale Vaudoise	Switzerland
19	Banque et Caisse d’ Epargne de l’Etat	Luxembourg
20	Toronto-Dominion Bank	Canada
21	Industrial Bank of Korea	South Korea
22	DNB Bank	Norway
23	Bank of Taiwan	Taiwan
24	SFIL	France
25	Bank Pictet&Cie	Switzerland
26	Bank of Nova Scotia	Canada
27	Bank of Montral	Canada
28	DZ Bank	Germany
29	Canadian Imperial Bank of Commerce	Canada
30	Nordea bank	Finland
31	First Abu Dhabi Bank	UAE
32	Hang Seng Bank	Hong Kong
33	Federation des Caisses Desjardins du Quebec	Canada
34	Agri Bank	United States
35	Deutsche Apotheker-und Aeztebank	Germany
36	Sparkassen-Finanzgruppe	Germany
37	UBS	Switzerland
38	Commonwealth Bank of Australia	Australia
39	ANZ Group	Australia
40	National Australia Bank	Australia
41	Westpac	Australia
42	Rabobank	Netherland
43	SEB	Sweden
44	Swedbank	Sweden
45	CoBank	United States
46	OP Corporate Bank	Finland
47	Ag First	United States
48	Farm Credit Bank of Texas	United States
49	Agence France Locale	France
50	BNP Paribas	France

参考：World’s Safest Banks 2022

　

World’s Safest Banks 2022　Asia Top 10

1	DBS Bank	Singapore
2	Oversea-Chinese Banking Corporation	Singapore
3	United Overseas Bank	Singapore
4	Korea Development Bank	South Korea
5	Export-Import Bank	South Korea
6	Industrial Bank of Korea	South Korea
7	Bank of Taiwan	Taiwan
8	Hang Seng Bank	Hong Kong
9	China Development Bank	China
10	Agricultural Development Bank of China	China

参考：World’s Safest Banks 2022

シンガポールの3大銀行は、世界の中でもTOP15にランクインしています。

DBSーDevelopment Bank of Singapore（シンガポール開発銀行）

1968年にThe Development Bank of Singaporeとして設立され、もともとはシンガポール企業や都市開発プロジェクトに対する融資機関としてスタートしました。次第に中国、東南アジアの海外部門を含む銀行として成長するにつれ、2003年にDBSと改名されました。

また、1998年には当時財務省傘下であったPOS銀行を買収し、それまで中高所得者向けのイメージだったDBSが「シンガポールすべての人にサービスを提供する銀行」のイメージとなりました。

今では香港、中国、台湾、インド、インドネシア、ベトナム、オーストラリア、他へも事業や支店網を拡大し、2300以上の支店とセルフサービスバンキング機からなるシンガポール最大のネットワークを有し、国内の銀行セクターでトップクラスのシェアを誇っています。

また、2022年の「World’s Safest Banks 2022」の選出ほか2021年には「世界最高の銀行」および「世界最高のデジタルバンク」両方のタイトルを獲得する（*「Euromoney」誌による選定）など世界的に評価が高い銀行です。

創立50周年を迎えた2018年に掲げた目標は「Live more, Bank Less」。顧客が大切な人、大切な物事との時間をより多く過ごせるよう、銀行業務をシンプルかつ楽に行うことができるよう、サービスを提供することを目標としています。

OCBCーOverseas Chinese Bank Corporation（華僑銀行）

OCBCは福建省出身の華人企業家によって設立された、中国商業銀行、ホーホン銀行、華僑銀行の3行が1932年に合併した銀行です。総資産額はシンガポールで第2位。

2010年にING Asia Private Bankの買収を完了し、ウェルス・マネジメント事業を強化しました。バンク・オブ・シンガポールと改称し、現在はプライベートバンキング部門として運営されています。

取扱業務は子会社も含めると消費者金融、法人金融、投資銀行、プライベートバンキング、取引銀行、財務、保険、資産運用、株式仲介サービスなど、商業銀行、専門金融、資産管理サービスと幅広いものになっています。

主要な市場はシンガポール、マレーシア、インドネシア、大中華圏で19カ国、470以上の支店と駐在員事務所を置いています。

財務の健全性と安定性が認められ、Global Finance誌の「世界で最も安全な銀行トップ50」に常にランクイン、また、The Asian Banker誌の「Best Managed Bank in Singapore」にも選ばれ、その他数々の賞を受賞しています。

OCBCの標語は「Simply Spot On」。問い合わせの対応、投資の拡大支援、顧客のあらゆるニーズを真に予測し、理解することで顧客の要望を満たすことを目標としています。

UOBーUnited Overseas Bank（大華銀行）

UOBはシンガポールの3大銀行グループの一つです。1935年Wee家によって設立され、2代目Wee Cho Yawが買収や海外進出を繰り返し、現在の東南アジアでは類を見ない躍進を遂げました。

2013年にはトップから退きましたが、フォーブスの長者番付においてシンガポールで2022年度には9番目に裕福な人物にランクインするなどその存在感は健在です。

資産規模は3つのグループの中で一番小さくはありますが、アジア太平洋地域、ヨーロッパ、北米の19カ国に500の支店と事務所を持つグローバルネットワークを持っています。多様な地域フランチャイズを持つことによりさまざまな地域でビジネスを行う企業の地域間の金融ニーズに対応することが可能になっています。

2021年には米金融大手シティグループの東南アジア4カ国の個人向け金融事業を買収し、タイ、マレーシア、インドネシア、ベトナムの個人顧客数を増加させることにより、より大きなネットワークをアジアに築くことが見込まれています。

UOBのロゴマークは、中国の伝統的な5つで数える「five-bar gate」に由来し、安全性と統一感を象徴しています。シールマークは、アジアでの強い伝統と起源を示すサイン。UOBのロゴカラーは、ASEANのルーツとつながり、ASEAN地域の明るい未来に向けたUOBの意欲を表しています。

　

シンガポールの主要銀行一覧

●ローカル系：Bank of Singapore
●ローカル系デジタル銀行：Mari Bank Singaporeなど
●外資系：Bank of America、Bank of India など
●日系：みずほ銀行、三菱UFJ銀行など

銀行のデジタル化への取り組み

シンガポール政府が2014年に発表した「Smart Nation 構想」とは情報通信技術（ICT）を活用することで、より良い暮らし、より多くの機会、より強固なコミュニティを実現することを目的とした国家的なビジョンです。

この構想は「都市生活（Urban Living）」、「交通（Transport）」、「健康（Health）」、「電子政府（Digital Government Services）」、「企業・ビジネス支援（Startups And Businesses）」 の5つを重点分野に設定されており、銀行においても取り組まれています。

例えば、銀行での口座開設の際は、「マイインフォ」と呼ばれる政府保管の個人情報を政府が直接銀行に提供することにより、顧客側は煩雑な口座開設の紙への記入の手間が省くことができ、また銀行側は本人確認作業がなくなり、迅速な口座開設が可能となります。

これはほんの一例ですが、こうした国を挙げてのデジタル化推進はシンガポールの銀行の世界での競争力も高めることにつながり、DBSは「世界最高のデジタルバンク」とも呼ばれています。

個人の銀行口座開設手続き

シンガポールで海外からの移住者が口座を開設する方法をご説明します。マネーロンダリングやテロ資金対策のため、基本的にはシンガポールに入国してからのみ口座開設が可能となります。

銀行口座開設の条件や必要書類

●条件
*（）内は預金口座の商品名です。　

	DBS (DBS Multiplier）	OCBC （Monthly savings account)	UOB (UOB One Account)
年齢条件	18歳以上	16歳以上	18歳以上
初回預金額 （デポジット）	なし	なし	S$1,000
最低預入金額	S$3,000 1日の平均残高がS$3,000を下回る場合は、口座維持費として月額S$5が請求されます。 ただし、29歳まではこの口座維持費は免除されます。	S$500 当月の1日あたりの最低平均残高がS$500未満だった場合は、口座維持費として月額S$2が請求されます。	S$1,000を下回ると口座維持費としてS$5がかかります。
口座を閉じる 費用	開設後半年以内に口座を閉じてしまうとS$30が請求されます。		開設後半年以内に口座を閉じてしまうとS$30が請求されます。 ただし、オンラインで開設している場合は最初の半年間は無料で解約できます。

　

●必要書類

	DBS (DBS Multiplier）	OCBC （Monthly savings account)	UOB (UOB One Account)
有効期限内の パスポート	◯	◯	◯
有効期限内のビザ （EP、S-Passなど）	◯  MOM発行の In-principle approval (IPA) レターも可能	◯	◯
現住所を証明するもの	◯	◯  携帯代の請求書／その他の銀行口座明細書など	◯

上記に加え、シンガポール国内で利用できる携帯電話が必要となります。また、口座開設の申し込みはどこの銀行もオンライン申し込みが可能です。

*記事執筆時点での内容となりますので最新情報は必ず各銀行のホームページにてご確認ください。

金利やプロモーション

多くの預金をすればその金額に応じて金利もあがります。また口座を給与口座に設定、口座に紐づけたデビットカードを使って一定金額を支払う、などでキャッシュバックや優遇金利を受けることができるプロモーションなどもあります。

革新的かつ信頼度も高いシンガポールの銀行

世界から見ても安全性や信頼度が非常に高いシンガポールの銀行。シンガポール国内においても口座開設の迅速さを実現させ、金利やプロモーションも豊富で革新的で時代に沿って柔軟な対応ができています。口座を開く際には状況に応じて享受できるメリットを比較してより良い商品を選ぶようにしましょう。

●記事内容は執筆時点の情報に基づきます。

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