【2023年】必読〜シンガポールのSNSマーケティング事情について徹底解説〜

インターネットの普及率9割以上、SNS利用者数も9割近くいるシンガポールで、インターネットやSNSは日常には欠かせない情報ツール。今回はシンガポールのSNS事情を紹介しながら、ビジネスに役立つSNSマーケティングや活用事例を解説していきます。
シンガポールのインターネット事情
現代社会において情報収集のリソースとして基本となっているインターネット。現代人にとってインターネットは、日々の生活の一部であり、日常の情報ツールとして欠かせない存在です。ここでは、ICT(Information Communication Technology)先進国のシンガポールでのインターネット普及率について述べていきます。
インターネットの普及率

DIGITAL 2022 SINGAPORE が発表したデータによるとシンガポールの人口は592万人。全体の人口に対し、インターネット利用者は545万人。つまり、インターネット普及率は9割以上で、いかにインターネットがシンガポールの人たちにとって欠かせないツールであるかということがよくわかります。
インターネットを利用するデバイス
シンガポールでは、インターネットを接続するために、どのデバイスを利用することが多いのでしょうか。デバイス利用状況は次の通りです。

人口の90.9%がスマートフォンやフィーチャーフォンを含むモバイルフォンでのインターネット利用をしており、スマートフォン単体の利用率は90.2%でした。続いて多いのはノートパソコンやデスクトップの80.1%となり、その他使用されているデバイスはタブレット33.4%、コネクテッドTV28.3%、スマートホームデバイス11.3%でした。
ブラウザ利用状況

シンガポールでは、インターネット利用者の41.14%がGoogleが提供しているChromeを使用し、次に多いのはApple社が提供するSafariで18.93%。その他のブラウザ利用状況は、Samsung Internet 3.37%、Microsost Edge 2.31%、Firefox 1.92%でした。
やはり世界でも利用者数1位のGoogleなので、シンガポールでも一番使われているブラウザなのがよくわかります。
インターネットの利用時間
こちらのグラフは世界各国の1日のインターネット利用時間を表したもの。世界平均は6.58時間と1日の多くの時間をインターネットに時間を費やしていることがわかります。

出典:Digital 2022 Global Overview Report
では、人口の9割以上がインターネットを使用しているシンガポール。人々は平均どのくらいの時間をインターネットに費やしているのでしょうか。

デバイス関係なく、インターネット利用時間の平均は7時間29分。これをデバイス別にみるとモバイルフォンが3時間38分、パソコンが3時間50分という結果でした。いずれにしても1日4時間弱はインターネットを利用していることがわかります。
モバイルデバイスからの接続率
シンガポールでは、インターネットを利用するデバイスの9割がスマートフォンなどのモバイルフォンという結果でしたが、そのモバイルデバイスからの接続件数は870万件にも達します。
このモバイル接続率は人口数の147%に相当し、2021年から2022年の1年間に2.4%増加しているとのこと。人口よりも多いモバイル接続数であることから、モバイルフォンは個人用と仕事用など複数持ちしているケースが多いということが考えられます。
シンガポールのSNS事情
インターネットと並行して今や情報収集の基本ツールとして欠かせないのがSNS。ここではシンガポールのSNS利用状況、人気のSNSなどシンガポールのSNS事情をみていきましょう。
SNS利用状況

出典:Digital 2022 Global Overview Report
2022年の統計によるとシンガポールの人口の89.5%がSNSを利用しているとのこと。これは、世界で6番目にSNS利用者が多い数字です。インターネットの普及率に比例してSNS利用率も高いことがよくわかります。ちなみに日本は人口に対し、SNS利用率は81.1%で世界で25番目に多いという結果でした。
人気の高いSNSツール
さて、世界でSNS利用者が6番目に多いシンガポールで、人気の高い上位6ツールを紹介します。

1. WhatsApp 2. Facebook 3. Instagram 4. TikTok 5. Telegram 6. WeChat |
1位のWhatsApp はチャットや電話が基本のメッセンジャーツールで、シンガポールでは家族、同僚や取引先の連絡は Whats Appで行われるのが主流。
また5位のTelegramは日本では馴染みのないSNSですが、こちらも連絡ツールのひとつ。SNSを家族や友だちと連絡をとるために使うことが多いため、利用率の高い結果となっていることがわかります。
人気SNSツールの利用時間
シンガポールの人々が1日にインターネットに費やす時間は、平均7時間29分でした。では、SNSの利用時間はどうでしょうか。

出典:Digital 2022 Global Overview Report
SNSに費やす一日の平均時間は2時間31分で、世界平均の2時間27分と比較し少し長いという結果となっています。

これをSNS別に1カ月どのくらいみんなが時間を費やしているかを見ていくと、一番人気だったWhatsAppは17.0時間、Facebookが18.2時間、Instagramが9.9時間と時間の長さでみるとFacebookが長い結果となり、また人気SNSでは4位だったTikTokは時間別でみると16.3時間でした。
利用時間の長いSNSツール

シンガポールで一番人気のSNSはWhatsApp ですが、連絡手段としてのみの利用が多く、利用時間は限られます。
一方でFacebookは、連絡ツールとしての機能を備えるだけでなく、写真や文章を投稿できコミュニティとの交流を楽しむことができるコミュニケーションツール。必然的に利用時間が長くなることが容易に理解できます。
ちなみに、Facebookを使用している年齢層は20代から40代の男女と幅広く、対してInstagramは近年若年層を中心にユーザを伸ばしており、人口の半分以上がInstagramを利用しています。
全体の人気では4位だったTikTokもInstagram同様、10代から20代に支持されています。InstagramとTiktokは共に短い動画や写真などを視覚的に気軽に楽しむSNSのため、利用時間が長くなるのはうなずけます。
この結果から、連絡ツールとしてのニーズが高いため WhatsAppは人気ですが、時間を費やすという点ではFacebook、Instagram、Tiktokの人気が高いことが分かります。
SNSを活用したマーケティング
シンガポールのインターネットとSNS事情について述べてきましたが、その普及率の観点から、企業がマーケティングのためにSNSを利用するのは今や当たり前。ここでは、SNSを活用したマーケティングについて解説します。
SNSマーケティング事情
1. Facebook

出典:Facebook
Facebookはシンガポールの人口の8割以上が利用し、ユーザの利用時間も長いため、オンライン広告及びSNSマーケティングの主なツールとなっています。また、原則実名登録であることから、ユーザ情報の正確性が高く、ターゲティングが絞りやすいため、ビジネスツールとしても最適です。
2. Instagram

出典:Instagram
Facebook同様、圧倒的なユーザー数を誇り、シンガポールのインフルエンサーや著名人の多くが利用しているInstagramは、有名ブランドからローカルビジネスまで幅広い分野で活用されているのが特徴的。手軽に画像などを投稿できる使いやすさも支持されている理由の一つです。
3. TikTok
若年層に圧倒的な支持があるTikTokも広告配信ができるため、近年、多くの企業が参入しています。
マーケティング事例
具体的なマーケティング事例をご紹介します。
1. Facebook |
Facebook では「Facebookページ」という企業・団体向けにアカウントを作ることができます。そしてそのページ内で文字制限なくテキスト投稿が可能で、写真や動画なども投稿することもでき、比較的自由度の高いSNSです。
Singapore AirlinesのFacebookになりますが、Singapore Airlinesに関するニュースを動画や画像で投稿し、ユーザーと交流している様子が伺えます。
Singapore Airlines – ホーム | Facebook
Facebookの広告は、InstagramやMessangerに配信できるのも魅力的。
また最近はFacebookを運営するMetaがMeta Business Suiteをリリースし、同じくMetaの傘下であるInstagramとまとめてマーケティングできるようになり、ホーム画面から新規の投稿の作成や、ビジネス広告を配信することも可能。ますます、便利で管理しやすいツールに変化しています。
これは、L’Oréal SingaporeのMeta Business Suiteを使用した事例です。
L’Oréal Singapore: Facebook ads case study | Meta for Business
2. Instagram |
次にInstgramを見ていきましょう。Instagramのマーケティングではブランディング、集客、商品の販売ができます。
Instagramは「インスタ映え」という言葉の通り視覚重視のSNSであるため、投稿する画像がいかに魅力的であるかが重要なのとInstagramのマーケティングにおいて、写真の次に大事なのは、ハッシュタグです。ハッシュタグ検索ができるため、投稿する写真に関連づいた人気のハッシュタグの選定は拡散する上で大切です。
また、Instagramはホーム画面といわれるフィードに画像や動画の広告を投稿することが可能。低予算で始められるので、気軽に広告を出すことができます。ただし、広告の出し方(場所、範囲、フォーマットなど)によって運用コストが異なるので、ニーズに合ったものを選びましょう。

そしてシンガポールでは人口の半分以上、つまり300万人以上がInsagram広告にリーチしているので、シンガポールにおけるInstagramが与えている影響力は非常に大きいです。
こちらは、Singapore AirlinesのInstagramになります。
Singapore Airlines(@singaporeair) • Instagram写真と動画
Facebookページよりも文字数が少なく、Instagramの特有のショート動画であるリールを用いながら、キャッチーに視覚的にユーザーに対して発信しているのがわかります。
3. TikTok |
TikTokマーケティングの魅力は主に3つあります。
まず、ビジネス用途でも無料で広告動画を作成できるという点(配信費用は別途要)。そして広告動画の配信もシステム化され、効率よく広告を打ち出せ、おすすめ枠に広告を配信できるため、スキップされにくいという特徴があります。
TikTokのマーケティング事例として日本を代表とするアパレル企業となったユニクロのシンガポールでのオフィシャルTikTokアカウントを紹介します。
UNIQLOSG (@uniqlosg) オフィシャル| TikTok
毎日主に新商品、店舗、コーディネートの紹介を中心に情報を発信していますが、流行りの音楽とともにポップでにぎやかな投稿になっています。TikTokが若い世代に支持されていることから、FacebookやInstagramと比べ、若年層をターゲットとした広告を配信しています。
シンガポールならではのSNS・Telegram

出典:Telegram
日本では馴染みのないSNSなので初めて聞く方もいるかもしれませんが、シンガポールでは Telegramも影響のあるSNSの一つです。
Telegramの特徴は WhatsAppと同じく、チャットがメインのSNSツールになりますが、Facebookや Instagramと異なる点は主に、最大20万人のグループチャットを作成できること、セキュリティ機能が充実していること、メッセージを暗号化できること、メッセージを削除できる時間を設定できるため限定的に情報を配信できるという点です。
シンガポールのSNSマーケティング企業
SNSを活用したマーケティングは、その利用者数から非常に重要です。シンガポールにはSNSマーケティングをサポートする数多くのデジタルマーケティング企業が存在します。その中で、今回は代表的な3社を紹介します。
PurpleClick

出典:PurpleClick
PurpleClickは2006年にシンガポールで創立し、16年の歴史をもつマーケティング企業です。
シンガポール以外にもフィリピンとマレーシアにも支社があり、手がけるクライアントともシンガポールの大手企業、政府機関から中小企業など多岐なジャンルに渡っており、東南アジア地域最大の実績を持つ、結果重視のデジタルマーケティング企業。
さらにPurpleClickはGoogle、YahooやBaiduなどの検索エンジン、LinkedInやTikTokなど検索マーケティング及びSNSマーケティングの両方を得意としています。また、シンガポールで初めてOtoO(オフラインからオンライン)に対し、プログラマティックDOOHといったデジタル広告を導入し、まさにシンガポールのデジタルマーケティングを牽引してきた企業であります。
PurpleClick(パープル クリック) 住所:51 Goldhill Plaza,#14-01, S308900 最寄り駅:Novena駅 電話番号:6533 8655 メールアドレス:enquiries@purpleclick.com WEBサイト |
Heroes of Digital

次にご紹介するのは、Heroes of Digitalです。こちらの会社は2015年に誕生した、まだ10年未満の会社ですが、デジタルマーケティングにおいて600以上の実績を持つ、急成長企業です。
GoogleとFacebookのパートナー企業であり、スタッフの中にはGoogle広告のスペシャリストとGoogleから認定されている者も在中しており、検索エンジンのマーケティングが得意。またそれ以外にもSNSマーケティングはもちろんのことWebサイト制作も行っており、まさに手厚くかつ戦略的なサービスをお客様に提供しています。
Heroes of Digital(ヒーローズ オブ デジタル) 住所:1008 Toa Payoh N, #05-01, S318996 電話番号: 6802 3658 WEBサイト |
FIRST PAGE

出典:FIRST PAGE
FIRST PAGEは今回ご紹介したデジタルマーケティング企業の中で一番規模が大きく、シンガポール以外にも海外8カ国にオフィスを持つ、グローバルマーケティング企業です。
また、Google Premier Partnerに認定されており、Google広告に関する専門的な知識と実績をもつ企業として認められています。そしてGoogleのみならず、FacebookおよびInstagramを運営するMeta、TikTokなど、さまざまなSNS企業のパートナーとしてマーケティングビジネスを展開しています。
FIRST PAGE(ファースト ページ) 住所:120 Robinson Road, #05-01,S068913 最寄り駅:Tanjong Pagar駅 電話番号:6270 2193 WEBサイト |
SNSを使って効果的なマーケティングを
SNS利用者数が世界第6位のシンガポール。その影響力は非常に大きく、効果的なSNSマーケティングを実現することはビジネスを成功に導くカギとなります。ただし、単に情報を配信するだけなく、マーケティングに活用するSNSの特徴や利用者のニーズを理解しなければ、効果的なマーケティングにはつながりません。
文字数制限のないFacebookを利用するなら、写真や動画に、より詳しい説明を添えて配信することができます。一方、InstagramやTikTokは視覚で楽しむSNSのため、一目見ただけでも明確に理解できる情報やキャッチーな画像が重要です。
SNSマーケティングを始める際は「誰に(ターゲット)」「何を(商品や情報など)」「どのように(方法)」伝えるか、ということを考え、最適なSNSを選択する必要があります。
●記事内容は執筆時点の情報に基づきます。
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