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【2024年】世界の一人当たりGDPランキング(IMF)~シンガポールは 第5位/アジア諸国ではTOP~

2024年最新版、IMF(=International Monetary Fund、国際通貨基金)による「世界の一人当たりGDP」ランキングをお届けします。ランキング上位国の特徴の解説やシンガポールのGDPについて詳しく解説します。

世界のGDPランキング

GDP(=国内総生産の略)は国の経済規模や豊かさを表すのに使用されている指標です。2024年度のランキングは1位がアメリカ、2位が中国、3位がドイツ、4位が日本となりました。上位国の詳しい解説はちらの記事をご覧ください。

一方で、「一人当たりのGDP」はその国GDPを人口で割った数値です。国民一人当たりの所得・給与水準を出すことにより、その国・地域に住む人々の平均的な豊かさをあらわす一つの指標となります。GDPとは異なる結果となったこのランキング。早速、「世界の一人当たりのGDPランキング」を見ていきましょう。

2024年世界の一人当たりGDPランキング

単位US$

順位国名単位(US$)
1ルクセンブルグ131.38 (thousand)
2アイルランド106.06(thousand)
3スイス105.67(thousand)
4ノルウェー94.66(thousand)
5シンガポール88.45(thousand)
6アメリカ85.37(thousand)
7アイスランド84.59(thousand)
8カタール81.4(thousand)
9マカオ78.96(thousand)
10デンマーク68.9(thousand)
—————————————————————————————————————–
38日本33.14(thousand)
※出典:IMF(=International Monetary Fund、国際通貨基金)

※2024年7月31日時点の数値

一人当たりGDPの上位国

ルクセンブルク

ルクセンブルグは、人口67.2万人、国土は面積2,586㎢と、人口が少なく国土の小さい国です。2024年度のGDPはUS$88.56(Bilions)、実質GDP成長率は1.3%です。(予測値)

1970年代より主要産業を従来の鉄鋼業から金融業へと転換、それに伴い海外企業の誘致を行ったことで一躍欧州の金融センターとしての地位を確立しました。また、近年では宇宙、情報通信技術(ICT)、電子商取引、ロジスティックス、自動車部品、医療技術、環境技術などの産業にも力をいれ、多くの海外企業が進出しています。

これらの産業が好調であり、他国からの労働者が多く生産性も高くなります。他国からの労働者がいる場合は、人口は出身国にカウントされますが、GDPは労働している国で計算されることもあり、一人当たりのGDPが高くなったと言われています。

アイルランド

2024年度のアイルランドのGDPはUS$564.02(Billions)、実質GDP成長率は1.5%です。(予測値)

コロナ禍においても主要産業の製薬、ICT分野が好調で2021年には先進国トップの成長率を遂げました。また、2023年には過去最高のGDPがUS$545.63 (Billions)に達しています。

一時期はヨーロッパ諸国の中でも生活水準が最も低い国の一つと言われていたアイルランドですが、外資系企業にとって魅力的な投資環境を積極的に作ることなどにより、経済は大きく回復を遂げました。また、出生率が高く、移民も多く受け入れており、若い世代の労働人口が多いことから国の生産性が高く、一人当たりのGDPも高い状況です。

しかし、アイルランドの場合、決して一人当たりのGDPが高いからといって、国民一人あたりの所得が高いという訳ではありません。これは外資系企業の生産高がアイルランド国内企業の生産高をはるかに上回り、外資系企業の進出元へ生産高が還元される状況にあるからです。

スイス

スイスは人口、面積ともに日本の九州と同じ規模の小さな国です。2024年のGDPはUS$938.46(Billions)、実質GDP成長率は1.3%です。

スイスの輸出の半分以上は医薬品、化学薬品が占めています。主要産業は観光産業、金融業、時計産業などが挙げられます。一人当たりのGDPが高くなる理由としては、スイスの充実した職業・専門教育と研究開発費用の高さにより、労働生産性と労働参加率が高いことにあります。

また、USBグループ、クレディスイスグループなどの金融業ではプライベートバンクビジネス、ロレックス、オメガなどの時計産業では高級機械式時計業としてサービスに付加価値をつける「クオリティ戦略」が功をそうしています。最近では、科学分野の研究においては国際的に量や質の高いものが多く、国内総生産の約3%を研究費用に充てています。

※出典:IMF(=International Monetary Fund、国際通貨基金)
※参考:FDFA(=Federal Department of Foreign Affairs、スイス連邦 外務省)
※参考:外務省 公式HP
※参考:内閣府 公式HP

シンガポールは第5位

2024年のシンガポールのGDP予測値はUS$525.23(Billions)で、実質GDP成長率は2.1%です。アジア諸国の中でトップを誇り、唯一アメリカの一人当たりのGDPを上回っています。IMFの見通しでは、今後も成長することが見込まれています。

世界やアジア各地への良好なアクセスが可能な好立地を活かし、政府が戦略的に海外企業がビジネスしやすい環境、世界トップクラスの人材育成、インフラ整備、治安の良さをつくりあげ、アジアを牽引する経済大国となっています。シンガポールの経済発展については次項「シンガポールの貿易」、「連載 シンガポールの最新経済状況」の記事をご覧ください。

シンガポールの貿易

シンガポールの主要な貿易相手国、輸出入額や品目、対日貿易の特徴についてご説明しています。
ンガポールの貿易を徹底解説!輸出入先ランキングや輸出入品目を学ぶ

シンガポールの最新経済状況

シンガポールのGDP成長の理由を探るべく、シンガポールの産業や国内の雇用状況、シンガポール経済の強みや弱みを分析した連載です。
【~連載~シンガポール経済レポート】第一回 シンガポールの最新経済状況を探る
【~連載~シンガポール経済レポート】第二回 シンガポール経済の強み・弱みを分析スイスネス企業の例①

一人当たりのGDPからわかること

一般的に、一人当たりのGDPは「その国や地域に住む人の豊かさを表す一つの指標」と言われています。GDPを左右するものは、人口(労働力)や、生産性、付加価値の創出などが挙げられます。世界各国は、海外企業への優遇を行ったり、立地の好条件を活かしたり、その国ならではの産業に付加価値を見出すなどして国際的な競争力をあげています。海外進出を決定する際には、その国GDPの要因や成長率、一人当たりのGDPを参考にし検討しましょう。

●記事内容は執筆時点の情報に基づきます。


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