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シンガポールの順位は?世界各国のGDPを徹底比較

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シンガポールの順位は?世界各国のGDPを徹底比較

IMF(International Monetary Fund=国際通貨基金)が2023年10月に発表した2024年に向けての世界経済の成長率の見通しは、2023年の3.0%から2.9%へ鈍化する見通し。歴史的平均の3.8%を大きく下回る予想です。また、地域間格差が広がるとも予測される世界経済。そんな中、世界経済を牽引するランキング上位国はどこなのでしょうか?順位などを見ていきましょう。

GDPとは?

GDPとは”Gross Domestic Product”の略で日本語では「国内総生産」と言われています。一定期間に生み出されたモノやサービスから材料費や流通費、燃料費などの投入額を差し引いた付加価値を表す指標です。GDPは各国の景気や経済活動状況を表す際に使われ、経済成長率も見ることができます。

名目GDPと実質GDPの違いは?

GDPには名目GDP、実質GDPと2つの指標があります。名目GDPはある一定期間の付加価値のみを合計したもの。一方で実質GDPは物価や貨幣価値の変動を考慮に入れて計算します。景気状況や経済成長率を見る場合は、より正確な実質GDPの指標を用います。

例)①2022年の名目GDPは51億円。
  ②物価の変動(約1%)を加味し、実質GDPは52億円。
  ③2021年から2022年の経済成長率は実質GDPの数値で計算し、(52億円-50億円)÷50億円×100=4%となります。

 2021年2022年経済成長率
名目GDP50億円51億円 
実質GDP50億円52億円4%

 

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ではここで、世界の経済ランキングを見ていきましょう。1位はアメリカとなっています。

単位US$

1アメリカ27.97 (thousand)
2中国18.56(thousand)
3ドイツ4.7(thousand)
4日本4.29(thousand)
5インド4.11(thousand)
6イギリス3.59(thousand)
7フランス3.18(thousand)
8イタリア2.28(thousand)
9ブラジル2.27(thousand)
10カナダ2.24(thousand)
……………………………………………………………………………………………………………………
 –シンガポール520.97
出典:IMF World GDP, Current Prices 2024年1月17日時点のデータ

 

GDPランキング上位国は?

アメリカ

消費と投資が堅調であったアメリカは先進国の中でも驚きのGDP成長率を遂げています。アメリカの2023年の実質GDP成長率は2.1%と2022年の2.1%からは横ばい状態です。しかしながら2023年7〜9月期の実質GDPは、前期比年率+ 4.9%、前期4〜6月期の前期比年率+ 2.1%から成長率は2倍以上。2021年は5.9%とパンデミックの回復期であったことから成長率が急激に高まり、その後はゆるやかに回復をしています。現段階の1人あたりのGDPはUS$83.06(thousand)です。(出典:IMF

支出面では個人消費支出が全体の68%を占めており、その内訳は投資23%、サービス購入が45%を占めています。2022年には個人消費、輸出、民間在庫投資、および企業設備投資(非住宅投資設備)がプラスに寄与する一方、住宅投資、政府の支出は減少しました。1950年から2022年までの通年GDP成長率は平均3.18%。1950年には史上最高の8.70%となり、2009年に過去最低の−2.6%をマークしています。

中国

不動産危機と景気の悪化という逆風に直面している中国。2023年度の実質GDP成長率は5%と2022年度の3%からは持ち直しています。とはいえ、これまでパンデミック期を除けば1990年以来平均して、毎年約7%〜12%の成長率を遂げてきた中国にしては成長率は遅い上昇ペースとなっています。2023年度の1人あたりのGDPはUS$13.16(thousand)です。(出典:IMF

国内総生産の9%を占めるのが農業、林業、畜産業、漁業が含まれる第一次産業。GDPの40%を占める工業、9%を占める建設業が第二次産業。その他卸売、小売業、金融、不動産、ホテル飲食などの第三次産業が44%を占めています。

日本

2023年度の実質GDP成長率は1%。アメリカに次ぎ世界ランキングでもGDP総生産第2位を保っていた日本が2000年代、中国に2位を譲り、今期はドイツにも3位の座も明け渡すこととなりました。円安によりドル換算した場合のGDPが目減りしたことが影響していると言われています。世界全体のGDPに占める割合も4.2%と1980年以降最低です。また、国民1人あたりのGDPはUS$34.55(thousand)(出典:IMF)とG7の中でもイタリアに次ぐ最下位となりました。

ほとんどの先進国同様、サービス業の割合がGDPに占める割合が多く62%。卸売、小売業が7%、不動産業が6%、製造業が22%、また建設業が5%を占めています。

ドイツ

GDP世界ランキングでは日本を淘汰したドイツですが、実質GDP成長率は0.9%(出典:IMF)と前年より低下しています。GDPランキングが上位になったからといっても決して経済が好調ではありません。ロシアのエネルギー価格上昇などが製造業の経済成長を鈍化させ、合わせて著しい物価や人件費の高騰、ユーロ安や主な輸出先の中国の購買力低下など景気回復の目処が立ちづらい状況です。また、1人あたりのGDPはUS$56.04(thousand)です。(出典:IMF

ヨーロッパ最大の経済大国であるドイツは機械、自動車、化学製品、家庭用機器の主要輸出国です。支出面におけるGDPの内訳は家計消費が55%、建設が約10%、機械設備が約6%、その他の製品が約4%、また政府支出が約19%。財・サービスの輸出はGDPの約46%を占めていますが、対して輸入が約39%のためGDP総額の7%となります。

インド

勢いのあるインド経済の実質GDP成長率は6.3%。前年同期比7.6%増となり、前期に引き続き予想を上回る結果となっています。業種別に見ると製造業が13.9%増、建設業が13.3%増、公益事業が10.1%増、鉱業が10%増、金融・不動産・専門サービスが6%増となっています。農業部門は大雨のため1.2%の伸び率にとどまりました。支出面においては第二四半期と比較し、政府支出が12.4%増、総固定資本形成が11%増と急加速。さらに輸出は4.3%増、輸入は4.4%増、輸入も16.7%増となっています。なお、民間支出は鈍化し、1人あたりのGDPはUS$2.85(thousand)です。(出典:IMF

インド経済の中で最も急成長している部門はサービス業で、貿易、ホテル、運輸、通信、金融、不動産などを含み、GDP全体の60%を占めています。農業、林業、漁業はGDP全体の12%程度の割合ですが、労働者の約50%が従事しています。その他、製造業がGDPの15%、建設業が8%、鉱業、採石業、電気、ガス、水道業が残りの5%となっています。

シンガポール

12四半期連続で景気の伸び率を更新しているシンガポール。2023年第四半期のGDPは前年同期比2.8%、現段階での実質GDP成長率は2.1%です。(出典:IMF)元から力強く成長している情報通信業、宿泊、不動産などのサービス業の2.4%の成長率、また、製造業(精密工学を除く)では生産が拡大し3.2%増、建設業では公共・民間の両部門の生産高増加により急成長を遂げました。

シンガポールでの経済の最大部門はサービス業で72%を占めています。内訳は卸売・小売業が18%、ビジネスサービス16%、金融・保険13%、運輸・倉庫10%、情報通信5%です。残りの28%は工業が占めており、その中でも製造業(21%)と建設業(5%)が重要な産業です。

緩やかなGDP成長率が予測される2024年

世界のGDPランキング上位の国々の現状や傾向はいかがでしたか?各国ともに、パンデミック前の生産水準に戻すことが課題となっています。しかし、インフレ抑制のための金融政策引き締め、一部の政治情勢の悪化、気候変動などにより世界経済は非常に緩やかな回復となっています。先進国と発展途上国の回復の乖離も激しい見通しとなる2024年、今後も各国は慎重な政策が強いられることになりますが、少しでもより良い世界経済に向かうことを期待したいです。

●記事内容は執筆時点の情報に基づきます。


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