シンガポールの給与~シンガポールの給与水準・年収・初任給などを徹底解説【最新】
アジア圏の先進国の一つであるシンガポールは、経済や治安、立地など魅力のある国の1つです。そんなシンガポールの給与水準や年収、初任給など、気になる給与事情を解説します。
シンガポールの給与
シンガポール人材開発省(MOM)によると、2023年シンガポールの平均月収(フルタイムで雇用されている居住者の雇用からの総月収の中央値(雇用主のCPF拠出金を含む)はS$5197です。2013年のS$3,705から10年間で約1.4倍上昇しています。フルタイム雇用のシンガポール居住者の2023年の年間総収入(雇用主のCPF拠出を含む)S$62,364(約700万円)とされています。
一方、国税庁によると、日本の1年を通じて勤務した給与所得者の1人当たりの平均給与は、約458万円(令和4年)とされています。日本とシンガポールを比較すると、シンガポールの方が高いことが伺えます。
・金額は2024年5月現在の為替相場(S$=116円)で換算表示
シンガポールの給与~初任給~
シンガポール教育省(MOE)は、シンガポール国立大学(NUS)、南洋理工大学(NTU)、シンガポール経営大学(SMU)、シンガポール社会科学大学(SUSS)の国内公立4大学を卒業した新卒生の2023年における初任給の調査結果を発表しました。2021年〜2023年にかけて多くの専攻で給与が上昇していることが分かります。また、情報・デジタル技術を専攻している卒業生の給与が一番高い結果となっています。
<2023 JOINT AUTONOMOUS UNIVERSITIES GRADUATE EMPLOYMENT SURVEY>
専攻科目 | 2021年 | 2022年 | 2023年 |
Arts, Design & Media | $3,500 | $3,500 | $3,740 |
Built Environment | $3,600 | $3,750 | $4,000 |
Business | $3,723 | $4,100 | $4,150 |
Dentistry | $4,200 | $4,200 | $4,550 |
Education (NIE) | $3,798 | $4,200 | $4,269 |
Engineering | $3,900 | $4,600 | $4,500 |
Health Sciences | $3,635 | $3,700 | $3,910 |
Humanities & Social Science | $3,550 | $3,800 | $4,015 |
Information & Digital Technologies | $5,000 | $5,625 | $5,500 |
Music | $3,100 | $3,590 | $4,000 |
Sciences | $3,600 | $3,900 | $4,000 |
2023 JOINT AUTONOMOUS UNIVERSITIES GRADUATE EMPLOYMENT SURVEY
シンガポールの給与~業種別~
シンガポールの業種別の給与をみていきましょう。下記の表のように、シンガポールの業種別月収の上位は、1位が金融・保険業、2位が行政・教育、3位は情報通信業の順となっています。業種によって平均月収に差があることが伺えます。金融や情報通信などの給与が高いことは、日本の給与状況と似ているといえるでしょう。
<15歳以上のフルタイム被雇用者の業種別・男女別月間総収入の中央値(2022年)>
雇用者CPFを除く 単位($)
シンガポールで働く日本人の給与水準は?
日本人がシンガポールで働くには就労ビザを取得する必要があります。シンガポールには複数の就労ビザがあり、外国人である日本人はこのうちいずれかの就労ビザを取得することで、就労が可能となります。以降ではこのうちEP(Employment Pass)とS-passについて最低給与額を解説します。 最新情報は政府系サイトで随時確認しましょう。
EP(Employment Pass)の場合
●対象者:専門職・管理職・経営者
●最低月額固定給:S$5000(日本円で約万円)
※金融業界の場合はS$5,500
※年齢、学歴により最低月額固定給は異なる
※最低月額固定給に加えてCOMPASSのC1(給与加点)を要考慮
S-passの場合
●対象者:中技能熟練労働者
●最低月額固定給:S$3000(日本円で約万円)
※新規申請は2023年9月からS$3,150、2025年9月からS$3,300に引き上げ
※更新は2024年9月からS$3,150、2026年9月からS$3,300に引き上げ
※年齢、学歴により最低月額固定給は異なる
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シンガポールの物価は高い?
世界一物価が高いと言われるシンガポールですが、実際はどうなのでしょうか。
食費
シンガポールでは3食の多くを外食や中食で済ますことが一般的です。そのためか、すべての外食費が高いということはありません。庶民的な食堂(ホーカーセンター)は一人あたりS$5〜S$20と安価です。これが一般的なレストランとなると、一人あたりS$30以上となってきます。さらに高級レストランの相場は、S$100程度です。外食については状況に応じて、柔軟な選択肢が多く用意されています。食費をおさえることも可能です。
住居費
シンガポールの国土は東京23区とほぼ同じです。狭い国土の中に多くの人々や施設が存在することから、住居費は高い傾向にあります。シンガポール住宅開発庁によると、例えば、HDBフラット(Housing& Development Board)の3ルームの場合、S$2,200〜S$3,200(約26万円〜37万円)/月です。こうした状況は日本とは大きく異なるため、実際に生活の場を移す際には慎重な検討が必要です。
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税金
世界中の富裕層が集まるシンガポールですが、この背景には税制の影響があります。シンガポールの法人税は17%と世界の国々と比較すると、低税率です。また、低税率に加えて部分税額免除制度およびスタートアップ会社税額免除制度などの法人税免除制度があります。実際には17%よりも低い税率になる場合が多くあります。世界中から多くの起業家や法人がシンガポールに拠点を置く理由がここにあることがわかります。詳しくは関連記事や最新の情報をご確認ください。
シンガポールの給与水準を知る
今回は、シンガポールの給与事情について、業種別の給与や初任給、日本との比較を解説しました。シンガポールの給与事情から、シンガポールでの起業や働くこと、駐在のイメージにつながれば幸いです。
●記事内容は執筆時点の情報に基づきます。
●金額は2024年5月現在の為替相場(S$=116円)で換算表示
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