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【最新】シンガポールの世界TOPクラス3大銀行~ 銀行口座の開設手続きも解説~

シンガポールの銀行は「World’s Safest Banks 2024」でアジアのトップ3を占拠し、財務の健全性や安全が認められています。それに加えて、政治的安定の高さ、能力の高い人材の多さなどからシンガポールの銀行は世界の企業や投資家からも常に注目の的です。そんなシンガポールの主要な銀行、口座の開設方法をご紹介していきます。

シンガポールの3大銀行

金融情報誌「Global Finance」が選ぶ「World’s Safest Banks 2024」のランキングアジアで1・2・3位に選ばれているシンガポールの3大銀行をご紹介します。まずはランキング表をご覧ください。

World’s Safest Banks 2024 Global Top 50

1KfWGermany
2Zuercher KantonalbankSwitzerland
3BNG BankNetherland
4Landwirtschaftliche RentenbankGermany
5L-BankGermany
6Nederlandse WaterschapsbankNetherland
7Kommunal bankenNorway
8NRW.BANKGermany
9Swedish Export Credit CorporationSweden
10Royal Bank of CanadaCanada
11Caisse des Depots et ConsignationsFrance
12DBS BankSingapore
13Oversea-Chinese Banking CorporationSingapore
14United Overseas BankSingapore
15Svenska HandelsbankenSweden
16Korea Development BankSouth Korea
17Export-Import Bank of KoreaSouth Korea
18Banque Cantonale VaudoiseSwitzerland
19SFILFrance
20Banque et Caisse d’Epargne de l’EtatLuxembourg
21Toronto-Dominion BankCanada
22Commonwealth Bank of AustraliaAustralia
23ANZ GroupAustralia
24National Australia BankAustralia
25WestpacAustralia
26Industrial Bank of KoreaSouth Korea
27DNB BankNorway
28Bank of TaiwanTaiwan
29Banque Pictet & CieSwitzerland
30Emirates Development BankUAE(United Arab Emirates)
31Bank of Nova ScotiaCanada
32Bank of MontrealCanada
33Canadian Imperial Bank of CommerceCanada
34DZ BANKGermany
35Nordea BankFinland
36First Abu Dhabi BankUAE
37Hang Seng BankHong Kong
38Federation des caisses Desjardins du QuebecCanada
39Sparkassen-Finanzgruppe (Sparkassen)Germany
40UBSSwitzerland
41RabobankNetherlands
42SEBSweden
43SwedbankSweden
44AgriBankUnited States
45OP Corporate BankFinland
46KiwibankNew Zealand
47Agence France LocaleFrance
48BNP ParibasFrance
49Credit AgricoleFrance
50Banque Federative du Credit MutuelFrance
参考:World’s Safest Banks 2024

World’s Safest Banks 2024 Asia Top 10

1DBS BankSingapore
2Oversea-Chinese Banking CorporationSingapore
3United Overseas BankSingapore
4Korea Development BankSouth Korea
5Export-Import BankSouth Korea
6Industrial Bank of KoreaSouth Korea
7Bank of TaiwanTaiwan
8Hang Seng BankHong Kong
9China Development BankChina
10Agricultural Development Bank of ChinaChina
参考:World’s Safest Banks 2024

シンガポールの3大銀行は、世界の中でもTOP15にランクインしています。3行はシンガポール市場を中心としながらも、世界各国に支店や事務所を構えており、多様なソリューションや顧客数も相まって世界でも影響力の大きい存在です。

DBSーDevelopment Bank of Singapore(シンガポール開発銀行)

1968年に政府系投資銀行のThe Development Bank of Singaporeとして創立。後の1998年、国内の経営基盤を強め、国際競争力を高めるために当時財務省傘下であったPOS銀行を買収し、「シンガポールすべての人にサービスを提供する銀行」というイメージを浸透させて成長を続けました。次第に中国、東南アジアの海外部門を含む銀行として規模を増すにつれ、2003年にDBSと改名されました。

今では香港、中国、台湾、インド、インドネシア、ベトナム、オーストラリア、日本などにも事業や支店網を拡大し、シンガポール最大のネットワークを有し、国内の銀行セクターでトップクラスのシェアを誇っています。2023年末時点で純利益は前年比26%増でS$100億以上、総資産額はS$7,390億に達しています。

また、前述の2024年の「World’s Safest Banks 2024」で高ランクに位置しているほか、「World’s Best Digital Banks 2024」で企業や機関向けのデジタルバンキングサービスとして最も優れている銀行と評価を受けました。デジタルバンキングに関しては、アジア太平洋地域においても同じ評価を受けていることから、世界・アジア共に最先端のデジタルソリューションを提供する銀行と判断されていることがうかがえます。

OCBCーOverseas Chinese Bank Corporation(華僑銀行)

OCBCは中国福建省出身の華人企業家によって設立された、中国商業銀行、ホーホン銀行、華僑銀行の3行が1932年に合併した銀行です。総資産額は2023年末時点でS$5800億となっています。

取扱業務は子会社も含めると消費者金融、法人金融、投資銀行、プライベートバンキング、取引銀行、財務、保険、資産運用、株式仲介サービスなど、商業銀行、専門金融、資産管理サービスと幅広いものになっています。特にプライベートバンキングに関しては、2010年に設立したBank of Singapore(旧ING Asia Private Bank)により、ウェルス・マネジメント事業が強化され、同社グループの成長に大いに貢献しています。

マレーシアやインドネシアのASEAN主要経済国に330以上の支店とオフィスを持ち、中国本土、香港特別行政区、マカオ特別行政区に60以上の支店とオフィスを構えており、資産規模、時価総額、利益の面でもASEAN地域最大級の銀行です。

財務の健全性と安定性が認められ、Global Finance誌の「World’s Safest Banksトップ50」にランクイン、また、2017年から2022年にかけては「Best Bank for SMEs Singapore」に選ばれ、その他数々の賞を受賞しています。

UOBーUnited Overseas Bank(大華銀行)

UOBは、1935年に福建省でUnited Chinese Bankとして設立され、1965年に現在のUOBに改名されました。その後も戦略的買収や海外進出を繰り返しながら規模を拡大していき、現在の東南アジアでは類を見ない躍進を遂げました。

資産規模は、2023年末で総資産額がS$5,240億と、3つのグループの中で一番小さくはありますが、アジア太平洋地域、ヨーロッパ、北米の19カ国に500を超える支店と事務所を持つグローバルネットワークを持っています。

多様な地域フランチャイズを持つことによりさまざまな地域でビジネスを行う企業の地域間の金融ニーズに対応することが可能になっています。また、UOBグループ傘下企業としてアジア各国に子会社を持ち、銀行業以外に保険業や投資関連、不動産、旅行業なども展開されています。

2022年には米国のCitiBankがインドネシア、マレーシア、タイ、ベトナムでのリテールバンキングおよびクレジットカード事業から撤退し、UOBに段階的に売却することが決定しました。事業の移転だけではなく、従業員の大移動も予想されており、UOBは国内で事業規模を一層拡大すると予想されています。

シンガポールの主要銀行一覧

シンガポールの主要銀行は以下の通りです。シンガポールは、建国当初から外資誘致に積極的であり、その影響から国内よりも外資系銀行の方が多くなっています。

●ローカル系
Bank of Singapore、DBS Bank、OCBCBank、UOB Bank

●ローカル系デジタル銀行
Mari Bank Singapore、GXS Bankなど

●外資系
Bank of America、Standard Chartered、HSBC Bank、Bank of India、RHB BANK、Malayan Banking Berhad など

●日系
みずほ銀行、三菱UFJ銀行、三井住友銀行など

銀行のデジタル化への取り組み

シンガポール政府が2014年に発表した「Smart Nation 構想」とは人工知能(AI)やモノのインターネット(IoT)、情報通信技術(ICT)の最先端デジタル技術を活用することで、より良い暮らし、より多くの機会、より強固なコミュニティを実現することを目的とした国家的なビジョンです。

銀行でもこの取り組みが進められており、以下のようなオンラインサービスが実施されています。

マイインフォ(MyInfo)
2016年6月開始。銀行での口座開設の際に、政府保管の個人情報を政府が直接銀行に提供することにより、煩雑な口座開設手続きが迅速に。

ペイナウ(Paynow)
2017年7月開始。銀行9行の口座保有者がスマートフォンを通じた即時決済が可能。

●サイバーセキュリティ強化
金融サービスの多様化とアクセス拡大によるデータ漏洩を防ぐため、官民一体で効果的なテクノロジーリスク管理を実施。

政府は、構想発表から10年を経た今、最新テクノロジーの利用に注力する当初の「スマート国家1.0」から、テクノロジーの活用をより画期的にして暮らしを変革させる新構想「スマート国家2.0」の方面に舵を切っており、今後数年間で銀行業務も大きく変容する可能性があります。

個人の銀行口座開設手続き

シンガポールで海外からの移住者が口座を開設する方法をご説明します。マネーロンダリングやテロ資金対策のため、基本的にはシンガポールに入国してからのみ口座開設が可能となります。

銀行口座開設の条件や必要書類

*()内は預金口座の商品名です。 

🔶条件

 DBS(DBS Multiplier)OCBC(Monthly savings account)UOB(UOB One Account)
年齢条件18歳以上16歳以上18歳以上
初回預金額
(デポジット)
なしなしS$1,000
最低預入金額S$3,000
1日の平均残高がS$3,000を下回る場合は、口座維持費として月額S$5が請求されます。ただし、29歳まではこの口座維持費は免除されます。
S$500
当月の1日あたりの最低平均残高がS$500未満だった場合は、口座維持費として月額S$2が請求されます。ただし、初年度は免除されます。
S$1,000を下回ると口座維持費としてS$5がかかります。ただし、オンラインで開設している場合は最初の半年間は免除されます。
口座を閉じる費用 開設後半年以内に口座を閉じてしまうとS$30が請求されます。

🔶必要書類

DBS
(DBS Multiplier)
OCBC
(Monthly savings account)
UOB
(UOB One Account)
有効期限内のパスポート◯ 
有効期限内のビザ
(EP、S-Passなど)

シンガポール人材開発省(MOM)発行の In-principle approval (IPA) レターも可能
◯ 
現住所を証明するもの 
(発行日から3か月以内の雇用証明書、印紙税証明書など)

携帯代の請求書/その他の銀行口座明細書など
参考:DBSOCBCUOB

上記に加え、シンガポール国内で利用できる携帯電話(申請日から3か月以内)が必要となります。また、口座開設の申し込みはオンライン申し込みが可能です。なお、ビザ保持者であることを証明する「Singpass」を所有していれば、ビザを提示する必要はありません。

*記事執筆時点での内容となりますので最新情報は必ず各銀行のホームページにてご確認ください。

金利やプロモーション

多くの預金をすればその金額に応じて金利もあがります。また口座を給与口座に設定、口座に紐づけたデビットカードを使っての支払い、決済サービスでの固定費支払いなどでキャッシュバックや優遇金利を受けることができるプロモーションもあります。

革新的かつ信頼度も高いシンガポールの銀行

世界から見ても安全性や信頼度が非常に高いシンガポールの銀行。シンガポール国内においても口座開設の迅速さを実現させ、金利やプロモーションも豊富で革新的で時代に沿って柔軟な対応ができています。口座を開く際には状況に応じて享受できるメリットを比較してより良い商品を選ぶようにしましょう。今後は、Smart Nation構想によるデジタルソリューションが数多く提供されるようになり、顧客利便性の向上や新たなオプションも期待できるかもしれません。

●記事内容は執筆時点の情報に基づきます。


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