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シンガポールで働くには?働き方や仕事の探し方のポイントなどを徹底解説

海外で就職してみたいと思う方の理由はさまざまだと思いますが、シンガポールは海外の就職先として人気の国です。実際にシンガポールで仕事を探す場合、どのような方法があり、どんな職種が人気でしょうか?早速見ていきましょう。

シンガポールで働くには

海外で就職してみたいと思うことはあっても、実際にどのようなプロセスを踏んでいけばよいか分からないことは多いものです。もしあなたがシンガポールで就職先を探したいと思ったら、より効率的にゴールを目指すことが大切です。

人材紹介会社

求人情報が日々更新されていくことは、日本もシンガポールも同様です。シンガポールにはたくさんの人材紹介会社のサイトがあるため、まずはこうしたサイトで情報収集を積極的にしてみましょう。シンガポールではどんな職種の求人が多いかについても把握できます。

転職エージェント

現地の求人サイトや人材紹介会社のサイトなどで気に入った求人が見つかったとして、次の課題は、シンガポールで仕事をするための就労ビザの取得などがあります。またシンガポールでの採用基準も日本とは少し違うかもしれません。

ご自身のスキルやキャリアを整理しつつ、専門の転職エージェントに相談してみることで、希望する就職先とのギャップがないか、またはほかの求人が向いているかなど、客観的なアドバイスをもらえる可能性があります。

また就労ビザや現地での生活面など、より具体的な相談ができるエージェントもあるため、じっくり探してみましょう。

情報収集のネットワークづくり

シンガポールで働くにあたって、よりリアルな話を知ることは何より大切です。SNSやブログでの情報収集のほかに、知人や先輩の人脈、関連するテーマを扱うオンラインサロンに参加してみるのもよいかもしれません。多角的に情報を知ることで、本当にシンガポールで働きたいかについても考えが深まります。

シンガポールでの働き方

日本人としてシンガポールで就職したいと考える時、どのような方法が考えられるでしょうか。いくつかご紹介します。

現地企業へ就職・転職

日本で企業に勤務した後、シンガポールの現地企業で直接採用されるケースや、海外赴任でシンガポールで働いた後、転職してシンガポールの企業で働くケースなどが考えられます。

ただ、現在はシンガポール政府が外国人に対する就労ビザの申請条件を厳しくしつつあるため、海外転職エージェントに登録するなどして、時間をかけて探すことも検討した方がよさそうです。

海外駐在員

シンガポールで働いている日本人で、海外駐在員として働いているケースは多いと言われます。駐在員は給与も高く、住居なども支給されることが多いため、物価の高いシンガポールでは、生活の安定を図ることができます。

シンガポールに支社を持つ日本企業に就職しただけでは、希望通りシンガポールに赴任できるかは分かりませんが、就労ビザの取得を含め、出向元の企業の駐在員としてシンガポールに住むことはメリットも大きそうです。

日本企業でシンガポールに支店がある職種は、「メーカー」「金融」「商社」「サービス」などが多いと言われています。

インターンシップ

シンガポールの就労ビザのうち、海外の学生や研修生として申請できるものや、ワークホリデーパス(Work Holiday Pass)などもあり、インターンシップとしてシンガポールで働くことができる可能性もあります。対象年齢の上限などもありますが、まずはシンガポールの会社環境を覗いてみたいという場合は、インターンシップを活用してみるのもよいかもしれません。

シンガポールで働く業界は?

世界有数の国際金融都市と言われるシンガポールですが、国の経済をけん引する主要産業として「製造業」や「IT」、「金融」が挙げられます。そこで、各業界の概況について簡単にご紹介しましょう。

製造業

シンガポール経済開発庁(EDB)のレポートによると、シンガポールでは製造業がホワイトカラー職になりつつあると言います。

同国の製造労働⼒は、2014〜21年にかけて約18%減少した一方で、「⾼技能」に分類される居住労働者(専⾨職、管理職、経営者、技術者)が担う製造職の割合は、2021年には8ポイント上昇し74%に達したそうです。

⽣産性の指標となる労働者1⼈当たりの製造業付加価値は、工場へのロボット導入による⾃動化が⼀部寄与したことで、2014〜21年にかけて倍増し、約US$23万となりました。

このことから、ロボットの導入で効率化を図り労働コストを抑えつつ、より専門性の高い人材を積極的に雇用する傾向があることが分かります。

IT

世界中のデジタル産業が成長を続ける中、各国でIT関連産業の慢性的な人材不足が起きていますが、シンガポールにおいても、外国人のIT人材の求人は年々増加しています。就労ビザの申請条件が厳しくなっているものの、専門性の高いIT人材は需要が高まっているのが現状と言えます。

シンガポールにおけるIT関連の業務は、営業職とエンジニア職に大きく分かれますが、特にエンジニア職では、日本のようにシステムエンジニア(SE)という職はなく「アプリ」か「インフラ」のどちらかを専門とすることが多いそうです。より専門性を求められる業界であることを押さえておきましょう。

金融

2022年9月にシンガポール金融庁(MAS)が発表した「Financial Services Industry Transformation Map 2025」は、シンガポールの金融サービス業が進むためのロードマップとして注視すべきものであり、2025年に向けて5つの主要な成長戦略が示されました。

その中で、5番目の戦略として「熟練かつ適応力ある労働力の育成(Foster a Skilled and Adaptable Workforce)」が挙げられており、2021年から 2025年にかけて、S$4億を拠出し、金融の専門家とリーダーを育成するためのプログラムを実施するそうです。

金融サービスに関連する人材、とりわけ金融業界におけるテクノロジー人材が不足しており、需要が高まっています。

シンガポールでの職種

シンガポールでは、幅広い分野で求人が出ていますが、ここではより求人が多く見られる職種についていくつかご紹介します。

営業

多国籍企業が集まり、国際金融都市としても知られるシンガポールでは、グローバルな環境での営業職も求人が多くなっています。英語や中国語といった語学力に自信がある方や、幅広い営業経験がある方は、よりダイナミックな仕事ができるかもしれません。

エンジニア

シンガポールでは、IT関連産業の集積に国をあげて注力しており、産業を支えるエンジニアについては求人も多くなっています。2021年に申請が始まった「Tech Pass」といった新しい就労ビザにも見られるように、優秀な人材をシンガポールに招くための制度づくりも進んでいます。

講師

シンガポールに住む日本人は、約36,800人(2019年10月現在)と言われており、日系企業も多いことから、日本人のコミュニティも充実しています。こうした日本人向けの習い事や学習塾などの講師も一定の求人があると言われています。

また、日系の幼稚園など各スクールでも、保育士や教師の求人が出ています。ご自身のスキルがシンガポールで活かせるチャンスかもしれません。

日系飲食店のシェフ・スタッフ

シンガポールで開業する日系飲食店は年々増加しています。日本で培った料理の腕を最大限活かせるシェフや、店舗の運営スタッフ、マネージャー職なども求人が出ています。シンガポール人にも日本食は人気ですし、シンガポール在住の日本人にとっても、こうした日系の飲食店は需要が高いようです。

シンガポールで働くためのビザ

シンガポールで働くためには就労ビザが必要ですが、日本人がシンガポールで働く上で取得に関係するビザの種類は、主に下記の4つと言われています。

出典:シンガポール人材開発省

代表的な就労ビザや、最近設けられた枠など、下記にいくつかご紹介します。

EP(Employment Pass)

通称EPと言われる、最も一般的な就労ビザです。対象は専門職や管理職、経営者となっており、月額でS$5,000以上(金融部門はS$5,500)の給与を得ていることが申請の条件となります。2022年9月よりEP申請における給与基準が引き上げられており、申請時には注意が必要です。また発給に際しては、有名大学の卒業や、より専門性や職位の高いキャリアが考慮されることもあるようです。

S Pass

熟練労働者向けの就労ビザで、月額でS$3,000以上(金融部門はS$3,500)の給与を得ていることが申請の条件となります。

Tech Pass

シンガポール経済開発庁(EDB)が発行するパスで、大手や急成長を遂げているテクノロジー企業の創業者、リーダー、技術専門家を世界中から誘致する目的で、個人単位で申請できます。

2021年1月に申請が始まったばかりの新しい制度ですが、該当する方にとっては魅力的なパスと言えそうです。

申請条件など、詳細はこちらをご覧ください。

Training Employment Pass

海外の学生や研修生が申請できる就労ビザです。上限は3カ月で、受け入れ可能な機関や、月額でS$3,000以上を給与として得られる会社で働くことが条件となります。シンガポールで働くための第一歩を踏み出すには、このようなパスに申請してみることもよいかもしれません。

シンガポール政府の方針で、今後、外国人の就労ビザの取得が難しくなると言われています。しかし、新しい制度も発表されており、シンガポールが必要とするスキルや経験を持っていれば、就労のチャンスが生まれる可能性もあります。

シンガポール人材開発省(MOM)のサイトでは、ご自身のキャリアや現在の給与額が、EPパスやSパスの申請基準を満たすかどうか調べることができるオンラインツールEmployment / S Pass Self-Assessment Tool (SAT)が提供されています。気になる方はチェックしてみてください。

また、シンガポールの就労ビザに関する詳しい情報は、下記の関連記事でもご紹介しています。ぜひご一読ください。

【関連記事】
シンガポールの就労ビザの特徴と取得のコツをご紹介
・【2022年10月】シンガポールの就労ビザ制度が変更?!プロが詳細と対策を解説!

シンガポールの給与事情

シンガポールで外国人として働く場合、給与水準はどのようになっているのでしょうか。

シンガポール人材開発省(MOM)によれば、シンガポールの平均年収は約590万円(約US$40,000)と言われています。この水準はOECD(経済協力開発機構)が公表する世界ランキングに換算すると世界24位相当、アジアでは韓国に次ぐ2位というポジションです。(加盟国平均は約760万円(約US$51,600))。

一方、日本で働いた場合の平均年収は約585万円(約US$39,700)と、わずかにシンガポールの平均年収が日本を上回るものの、大幅な差があるわけではなさそうです。

また、シンガポールの業種別月収の上位は、1位が金融・保険業(S$6,200)、2位が行政・教育(S$5,417)、3位は情報通信業(S$5,311)となっています。金融や情報通信などの知的労働の収入が高く、飲食・宿泊などが安価となっているのは、日本の状況と似ています。

なお、月収の男女格差は小さいと言われており、女性が働きやすいことはシンガポールで働くメリットのひとつと言えます。

シンガポールにおける給与事情について、下記の記事でより詳しく解説しています。ぜひご一読ください。

【関連記事】
経済成長が続くシンガポール!現地での給与水準および日本との比較をご紹介」

シンガポールで新しいキャリアを始めよう

今回は、シンガポールで働きたいと思った時の仕事の探し方や、職種、シンガポールで求人が多いとされる業界の概況、就労ビザ、給与事情などについて見てきました。これまで海外で働いたことがない方にとっては、雲をつかむような話かもしれませんが、グローバルな就労環境や、国際金融都市としての顔を持つシンガポールで、新しいキャリアを見つけてみることは、人生の大きなターニングポイントになるかもしれません。少しでも興味があれば、まずはアクションを起こしてみましょう。

●記事内容は執筆時点の情報に基づきます。
●金額は2022年11月8日現在の為替相場($1=147円)(S$=104円)で換算表示
●最新情報は政府サイトなどを確認することをお勧めいたします。

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