シンガポールでインフルエンサーマーケティングを成功させるには?
インフルエンサーマーケティングは、インフルエンサーの影響力を活用し、投稿やPRによって集客効果を狙うマーケティング手法です。本記事では、シンガポールでのBtoCマーケティングに着目し、より効率的に集客する方法を紹介していきます。
インフルエンサーマーケティングとは
インフルエンサーマーケティングは、SNSなどで影響力を持つ「インフルエンサー」に、商品やサービスをPRしてもらうマーケティング手法です。消費者に対して、自社認知の向上や販売促進を期待できます。
企業が消費者に対して直接発信する従来のマーケティングと比較しても、インフルエンサーマーケティングは消費者の視点からPRできるため、共感性や訴求力の高い宣伝効果が期待できるでしょう。
例えば、インスタグラマーなら、自分のアカウントで商品・サービスをPRします。その影響力を利用して、フォロワーへ独自性のある魅力的な宣伝ができるため、購買意欲や販売促進に繋がります。
シンガポールのインフルエンサーマーケ事情
シンガポールでは、インフルエンサーを活用したマーケティングが有効です。その理由を3つ紹介していきます。
芸能人が少ない
シンガポールには、日本と比較しても、芸能人が少ないという特徴があります。
シンガポールの人口は、日本の人口の約1/20ほどで、シンガポール人だけで見ると350万人と、決して多い数字ではありません。芸能人の数を人口比の推定から考慮しても、日本の「15000人」に対し、「750人」しかいないという計算になります。
また、テレビのチャンネルもかなり限定的です。ニュース中心の番組が多いため、バラエティ番組のような芸能人が活躍する作りではありません。
インターネットの影響力
づいて、シンガポールでのインターネットの影響力を紹介します。
テレビ平均視聴時間 | SNS普及率 | インターネット 平均利用時間 | SNS平均利用時間 | |
シンガポール (国民約350万人) | 2時間47分 | 89.5% | 7時間29分 | 2時間31分 |
日本 (約1億3000万人) | 3時間11分 | 81.1% | 4時間26分 | 0時間51分 |
上記の表では、日本よりもシンガポールの方が、インターネットやSNSへ関心が高いことがわかります。日本以上にインターネットやSNSから情報を得る方法として活用していることがわかります。またエンタメ業界が盛んではないため、インフルエンサーが影響力を持っているといえるでしょう。
口コミが反映されやすい国民性
シンガポールの国土は720kmほどで東京23区よりもひとまわり小さいです。3日ほどあれば主要観光地を回れるほどの小さい国土といわれ、交通インフラが整備されています。面積や交通網の観点から言って口コミが広まりやすいことも言えるでしょう。
シンガポール人が国民性として持つ「コミュニケーションを好意的に行う特徴」も、マーケティングへ活用できるでしょう。
シンガポール人は、コミュニケーションを好意的に取る傾向にあります。消費者の動向を追うデータでは、全体の「約44%」の方が、製品を購入する前に、親しい関係の方からおすすめされて購入していることがわかりました。
また、インフルエンサーは、インターネットやSNSと密接な「18歳〜24歳」の年代へ、強く訴求力を持っています。インフルエンサーへの信頼が高いため、商品・サービスの購入意欲を高められるでしょう。
シンガポールのインフルエンサー活用事例
シンガポールでインフルエンサーマーケティングが有効なことはわかりましたが、実際にどのように活用されているのでしょうか。
過去にインフルエンサーマーケティングを実施した「Izakaya Torikin」様を例に紹介します。
Izakaya Torikin
「Izakaya Torikin」様は、シンガポールにある日本料理を提供する居酒屋です。特に、博多名物の「水炊き」がメインで、その他一品料理を提供しています。一度その味を知るとリピート間違いなしのお店です。
Izakaya Torikin様での狙いは、ブランド認知度の向上と、新しいプロモーションや新商品販売の促進です。そこで、以下の条件に該当するインフルエンサーをキャスティングし、PRを企画しました。
● 投稿ジャンルは食関連がメイン ● フォロワー数は10,000人以上 ● 平均いいね数300以上 ● 投稿頻度が週で3,4回以上 ● 投稿に付くコメントが投稿に関連している |
以上の条件を満たすインフルエンサー約10名の方をキャスティングし、実際に食事をしていただき、PRを行いました。
その結果、一人あたりのインフルエンサーから約15名の来客を獲得し、約135名の集客に成功しています。各投稿に対し、250件以上のいいねや好意的なコメントも届き、Izakaya Torikin様の集客に貢献しています。
インフルエンサーマーケの成功までのロードマップ
では、インフルエンサーマーケティングを成功に導くために、実施してほしいことを4つご紹介します。
Step 1 広告目標の設定
まずは、広告目標の設定をしましょう。目標の立て方で、広告結果の分析時の指標となる数値が変わります。なるべく明確にしましょう。
認知拡大を目指す方は、ユーザー注目度を表すインプレッション数や動画コンテンツの再生数向上を目指します。 購買促進を目指す方は、投稿がどれだけ売上に貢献したかを可視化するために、インスタから自社サイトへの遷移(せんい)数や、インスタ経由での購入数の向上を目指します。 ブランディング目的の方は、自社に対するユーザーの関心を高めましょう。コメントでのポジティブ・ネガティブな意見や、ユーザー投稿のタグ付け数も参考になります。 |
Step 2 キャスティング
つづいては、キャスティングです。インフルエンサーのキャスティングは、どういった層をターゲットするかに直結します。各インフルエンサーのフォロワーが、そのまま見込み客になります。
代表的なキャスティング方法は、以下の三つです。
● インフルエンサーへのDM ● マッチングサイトを利用し、インフルエンサーを採用 ● キャスティング会社へのオファー |
インフルエンサーのキャスティングを行う上で、意識してほしいポイントがいくつかあります。
まずは、インフルエンサーのフォロワー数やいいね数、コメントをよく確認しましょう。フォロワー買いやいいね・コメント買い対策を確認する必要があります。
次に、シンガポール人インフルエンサーのフォロワーが、必ずしもシンガポール人とは限らない点です。日本のインフルエンサーとは違い、英語発信のため英語圏の方々もフォロワーの対象になります。投稿内容やコメント欄で確認して、キャスティングできるかを判断しましょう。
最後に、ナノインフルエンサーの活用です。ナノインフルエンサーは、フォロワー数が「1万人以下」のインフルエンサーを指します。ナノインフルエンサーは、拡散力が低い代わりに、成約率が高い特徴を持ちます。キャスティングによるコストを低く保ちつつ、集客できる効果を期待できるでしょう。
また、フォロワー数が多いインフルエンサーは、拡散力が高いため、フォロワー外からの集客を呼び込めます。
Step 3 投稿内容の設定
つづいて、インフルエンサーが行う投稿内容を設定しましょう。
代表的な投稿内容は、以下の三つです。
● ギフティング(インフルエンサーに商品を送って試してもらう) ● 現地訪問 ● 商品監修(コラボ商品など) |
どの方法でも投稿内容の指示が重要になります。文章への指示は商品の特徴や入れてほしい言葉、写真への指示は撮り方や撮影場所などを明確にしましょう。
しかし、細かすぎる指示は、おすすめしません。投稿には、インフルエンサーの独自性や技術がそのまま反映されます。指示によって、インフルエンサーの持つ雰囲気を壊しかねないため、あくまでお互いを尊重した上で、指示やチェックを行いましょう。
Step 4 検証
最後は、効果検証についてです。
インスタグラムの規定で、企業と報酬関係のある投稿へ、タイアップタグをつけることが義務付けられています。タイアップタグで受けられるメリットは、こちらです。
● 企業ページへユーザーを簡単に遷移できる ● 悪質なユーザーによるPR投稿の回避 ● 企業側からのPR投稿の効果測定 ● ユーザーからの投稿への信頼性の向上 |
投稿へのいいね数やコメント数は、原則として、投稿者しか確認ができません。しかし、タイアップタグの活用で、依頼した企業側から数値の確認ができます。従来よりも、効果検証がスムーズに行えるため、ぜひ検討してください。
SingaLife Bizのマーケティングサポートサービスについて
最後に、SingaLife Bizのマーケティングサービスについて紹介します。
SingaLife Bizでは、本記事で紹介したマーケティング会社のキャスティングをサポートします。施策に合わせて、インフルエンサーのキャスティングやイベントの運営、結果分析もお任せください。マーケターも、日本人・シンガポール人が在籍しています。
また、Google広告の運用代行や、インスタグラムの運用代行も行っています。運用面でお悩みの際は、全力でサポートいたします。
さらに、弊社メディアとのタイアップも募集中です。シンガポール在住の日本人向けメディアSingaLifeや、ローカル向けウェブサイトnaniなどございますので、ご相談ください。
シンガポールでのインフルエンサーマーケティングで集客効果を狙おう
インフルエンサーマーケティングは、インフルエンサーの影響力を活用して、集客するマーケティング手法です。エンタメ業界が日本よりも繁栄していないシンガポールでは、高い集客効果を期待できるでしょう。
しかし、インフルエンサーマーケティングの効果を最大限発揮するには、知識や経験も必要です。自社だけでのマーケティングが厳しい場合は、ぜひSingaLife Bizのマーケティングサポートサービスを検討してくださいね。
●記事内容は執筆時点の情報に基づきます。
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