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シンガポールに出張~シンガポール出張で必要なビザや税金を徹底解説~

シンガポールに出張をする際に必要なビザや税金について徹底解説!ビザの種類や出張時の税務処理は出張の活動内容や期間によって異なります。シンガポールの法令を遵守するためにも正しく理解しておきましょう。

シンガポール入国

【シンガポールの一般入国要件】

1.残存有効期限6か月以内のパスポート:
シンガポールのパスポート保持者ではない場合、入国時に最低6か月間の有効期限のあるパスポートが必要です。

2.ビザ:
ビザが必要な国/地域のパスポートまたは旅行書類を所持する短期旅行者は、ビザを申請する必要がありますが、日本国籍の方はビザを申請する必要はありません。詳細については下記「シンガポール出張とビザ」をご参照ください。

3.SG到着カード(SGAC=SG Arrival Card )の提出:
SG到着カードとは、氏名やパスポート番号、到着日や利用航空会社などを申告するいわゆるイミグレーションカードですが、シンガポールではオンラインで提出します。シンガポールに渡航する時は到着日の3日前から到着日の間にSG到着カードを提出する必要がありますが、シンガポールのチャンギ国際空港には無料Wifiが完備されており、到着時に(入国直前に)無料Wifiで提出することも可能です。eサービスやモバイルアプリより提出が可能です。

4.公衆衛生要件
2024年10月現在、コロナワクチンによる渡航制限は撤廃されています。現在、適用されている公衆衛生要件は「黄熱病」です。シンガポール到着前の6日以内に黄熱病感染リスクがある国に滞在していた場合は、黄熱病予防接種証明書の提示が必要となります。

シンガポール出張とビザ

シンガポールへ出張に行く際には、出張の用途や期間によって、どのようなビザが必要か確認する必要があります。

観光ビザ(短期滞在ビザ)

発行方法

短期滞在ビザ(=short-term visit pass (STVP))は、シンガポール入国時に発行されます。ビザ有効性確認ツール(visit pass validity tool) や(e-Pass enquiry portal)より確認することができます。

期間

日本国籍の場合は有効期間は30日間です。ただし、一般的には最長30日間の延長申請をすることができます。直系親族にSC(Singapore Citizenship)/PR(Permanent Resident)保持者がいる場合は89日間まで延長することができます。

シンガポール出張中の活動制限

現地で物の販売やサービスの提供等を行わない限り、通常はビザなし(観光ビザ)でのシンガポール出張・滞在が認められていますが、以下のような特定の活動に限られます。また、シンガポールに到着してから実際に活動を行う前にMOM(シンガポール人材開発省)へ通知(オンライン)する必要があります。

<特定の活動(例)>
・仲裁または調停サービスの提供
・展示会への出展者としての参加
・政府や法定機関が支援するジャーナリズム活動
・最高裁判所の国際判事としての活動
・カジノでのジャンケット(顧客誘致)活動
・映画、ビデオ、テレビ番組、広告の制作に関連する活動
・政府サポートもしくは公的パフォーマンス会場での演劇や歌唱、音楽活動など
・専門知識の提供(機械の設置、修理など)
・セミナー、会議、ワークショップの開催や実施等(販売活動等、内容には制限あり)
・政府や法定機関が支援するスポーツ競技、イベント、トレーニングへの参加
・ツアーファシリテーション(ツアーグループに対する後方支援、ツアーガイドは不可)

ただし、下記の活動に参加する場合は、MOMへの通知は不要です。

・会社の会議、社員旅行、またはビジネスパートナーとの打ち合わせ
・研修旅行や視察、研修コース、ワークショップ、セミナー、会議への参加者としての出席
・トレードビジターとして展示会への出席

Training Employment Pass

Training Employment Pass(TEP)は、外国人がシンガポールで専門職、管理職、経営職に関する実践的な研修を受けるためのビザです。外国人学生または研修生は、このビザを利用して短期間(最長3か月)シンガポールで研修を受けることができます。

【発行方法】
・応募対象者:シンガポールの雇用主
・所要期間:申請から承認までには約3週間
・必要な書類:候補者の教育証明書等やパスポート

【申請資格
シンガポールで研修を受けたい外国人学生または外国人研修生

<外国人学生の場合>
・シンガポールでの研修が履修コースの一環であること
・海外の認可教育機関に在籍していること、もしくは月額固定給与が少なくともS$3,000であること

<外国人研修生の場合>
・海外の本社または関連会社から派遣されていること
・月額固定給与が少なくともS$3,000であること
【有効期限】
最長3か月(更新不可)

EP・S Pass

3か月を超える長期滞在や、シンガポールで実際に就労する場合は、Employment Pass (EP)やS- Pass等の就労ビザが必要です。下記関連記事にそれぞれの概要や発行方法、申請資格などをまとめています。ぜひ、ご参照ください。

【関連記事】
シンガポールのビザの特徴と取得のコツをご紹介【2024年 最新】

シンガポール出張と税金

シンガポール出張の際、シンガポールで所得税の申告納税は必要となるのでしょうか?

滞在日数によって異なる

シンガポール国内法においては、下記表の通り、シンガポールに滞在(就労)している日数により課税方法は異なるとされています。

居住性シンガポール滞在(就労)日数課税方法
非居住者60日以内免税
61日〜182日・15%もしくは累進税率で計算した所得税のいずれか高い方の金額が課税
※給与所得の場合
居住者183日以上183日以上であれば、「居住者」と見なされ、累進税率で課税されることとなります。

ただし、日本在住者(日本居住者)がシンガポールに出張する場合の給与所得については、上記のシンガポール国内法ではなく、日本・シンガポール租税条約によって判断を行う事となり、以下の条件をもとにシンガポールでは非課税とされています(給与所得の短期滞在者免税)。

・シンガポール滞在が、継続するいかなる12か月の期間においても合計183日を超えないこと。
・出張中の給与がシンガポール国内事業者により支払われていない(≒日本法人で負担)こと。
・出張者の給与(人件費)がシンガポールの恒久的施設(PE:Permanent Establishment) 、固定施設などによって負担されていないこと
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シンガポールの税金を徹底解説 〜押さえておきたいシンガポールの税務戦略〜
【連載】第5回 シンガポールの税務戦略〜国際税務の基礎を徹底解説~

居住性に注目

シンガポールと日本では、税務上の居住判定が異なります。日本では、所得税法において、「居住者とは、日本国内に「住所」があるかまたは「現在まで引き続いて1年以上「居所」がある個人」と判定されます。

一方、シンガポール国内法では、①年間で183日以上滞在もしくは就労している②3年連続して滞在もしくは就労している③2年にまたがってシンガポールで継続的に就労し、滞在日数の合計が183日以上である外国人のいずれかに該当する場合(ただし法人の取締役等は除く)にシンガポールの居住者とされています。

このような、両国における税制上の居住地判定の結果によっては、二重居住者もしくは二重課税といった不利な取り扱いとなる可能性があります。しかし、シンガポールと日本は租税条約を結んでおり、双方の国からの二重課税は原則として回避できる仕組みとなっています。

シンガポール出張は計画的に

シンガポールへの出張に必要な入国要件、ビザや税金について解説しました。出張の期間により必要なビザや課税される税金などが違います。出張の目的に応じてそれぞれのビザや税金のメリットを活かし、戦略的に出張計画を立てることが必要です。

●記事内容は執筆時点の情報に基づきます。

監修:CPAコンシェルジュ様のご紹介

CPA Concierge Pte Ltdは、2014年から日系企業のシンガポール進出、日本人起業家や富裕層のシンガポール移住、法人設立、ビザ申請、会計税務をサポートしています。これまで400件を超えるご相談に対応してきました。

シンガポールの永住権、お子様の学校、個人の銀行口座、人材採用時の注意点、MOM対策、他の士業事務所との連携、他の業者の紹介や調査、といった、士業事務所では通常は受けてくれない(しかしどこに相談してよいか分からない)お悩みも可能な限り何でもお受けしています。

基本的にすべてのクライアントに日本人スタッフ(日本語ネイティブ並みの非日本人含む)を配置しており、シンガポールでのビジネスが初めての企業でも安心して日本語でご相談いただける体制となっています。

CPA CONCIERGE PTE LTD(シーピーエー コンシェルジュ)
住所:2 Kallang Avenue, #07-25 S339407
最寄駅:EW11 Lavender駅、DT23 Bendemeer駅
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萱場 玄氏

会計事務所CPAコンシェルジュ(CPA CONCIERGE PTE LTD)創業者。
公認会計士(日本)、税理士(日本)、プロフェッショナルカンパニーセクレタリー(シンガポール)、Xero公認アドバイザー、経営心理士。

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