シンガポールでのBtoC向けマーケティング戦略~今知りたいSNS集客方法~
アジアのハブと言われるシンガポール。国が率先して起業家支援を行ったことで、シンガポールを含む東南アジアに拠点を置く企業が増えてきました。特にデジタルマーケティング部門が現在注目を集めています。今回は、市場のデジタル化が進む中で戦略的に成功させるための方法をご紹介します。
シンガポールでマーケティングする魅力
シンガポールを拠点にする企業は多く、アジアトップレベルの先進国。さらにスマホ普及率が9割を超えるためデジタルマーケティングに潜在市場がある国といえるでしょう。はじめにシンガポールでマーケティングを行うべき理由や魅力を4つご紹介します。
①所得が高い
マーケティングを行うに当たって大事なことは市場調査です。はじめにターゲットとなるシンガポール人の所得状況についてご紹介します。
MOMの調べによると、シンガポール人の平均所得平均額は、月S$5070、年S$60840で(S$1≒ 97円)として約590万。これに対して日本人の平均所得は403万円となっています。
上の表を見ると、経済発展に伴い、シンガポール人の所得が過去10年で約1.5倍に増えていることがわかります。
また、シンガポールでは女性がマネージャークラスに在籍しているケースが主流で、性別に関係なく定年まで働くことが一般的です。そのようなことから、シンガポールでは男女格差があまりなく、キャリアを積んでいける、つまり男性女性関係なく所得の水準が変わらないと言えます。
さらに、日本人と比較してお金を使うことに躊躇いがなく節約志向でない人が多いようです。
②日本製品のロイヤリティ
シンガポールにおいて日本ブランドは人気があり、人々の間でも日本ブランドだから安心できる、信用できる、質が高いというような認識が浸透しているようです。
例えば、ファーストリテイリングのユニクロはシンガポール国内おすすめブランド第3位にランクインし島内に29店舗も展開しています。また、DON DON DONKI は2022年シンガポール国内で最も躍進した企業第7位ランクインし、島内に15店舗も展開しています。
③日本人が多く認知が広まりやすい
外務省によると、シンガポールに住む邦人数は2020年時点で32,743名ほど。シンガポールは狭いので、うまくマーケティングを活用すれば、日本人へすぐに広めることができるでしょう。駐在員が多く、日本人同士のコミュニティが広がっているので比較的マーケティングがしやすい傾向があります。
日本人へアプローチをかけたあとで現地のローカルビジネスへと広げていくというやり方もあります。このとき現地の文化的背景についても配慮しながら行動すると、よりターゲット層へ広がりやすくなるでしょう。
④東南アジアのハブで、ビジネス がしやすい
シンガポールは政府が国際競争力を高めるために税制やインフラを整備し各国の企業を支援していることから、多くの企業が進出し、ビジネスをしやすい国として知れ渡るようになりました。
シンガポールへ世界の企業が集まる理由として、国が国際的競争力を高めるため税制をはじめとした多くの優遇措置をとっていることがあげられます。さらに法人税率が世界の中でも低く、加えてさまざまな税制優遇措置により、いっそう実効税率が低くなることも。
シンガポールへの日系企業進出は2010〜2017年がピークで、2018年以降は停滞している傾向にあるようですが、物流拠点として利便性が高いことからこれからも伸び代があることが伺えます。
シンガポールの地理的位置も相まって、世界中からの商取引にとって重要な拠点となっています。さらに、多様な産業と経済を持ち、金融、航空、海運、観光、バイオテクノロジー、情報技術などの分野で強い影響力を持っています。
これまで見てきたように、多くの企業がシンガポールに拠点を置き、ビジネスを展開しているのは、公用語が英語という観点も影響しているといえます。
シンガポールでのマーケティングのトレンド
シンガポールでマーケティングを行う上で押さえておきたいのがトレンドです。そこで挙がってくるのがSNSやWEBサイトなどのインターネット媒体。世界的にもマーケティングを行っていくためにはインターネット媒体が鍵になることは間違いないでしょう。
シンガポールは以前、紙媒体の広告が影響力を持っていましたがスマホの普及率が9割を超えるようになった今、デジタルマーケティングを行う企業が増えています。
下記の2つの図はWe Are SocialとHootsuiteが毎年共同で制作しているDIGITAL 2022 SINGAPOREより引用したものとなっており、(上)シンガポールの16-64歳が過去1ヶ月間にECサイトを利用した割合(下)シンガポール人口におけるインターネットとSNSの利用状況を表しています。
上記より、74%がインターネット媒体を使用しショッピングを、そして51%がスマートフォンを使用しショッピングしていることがわかります。20202年のパンデミックの影響によりさらにECを使って買い物をする人が増えたことも原因でしょう。
シンガポールにおける代表的なECサイトShopee Shingapore は月間で1500万人が訪問し、Lazada と呼ばれる東南アジア最大のショッピングサイトもおよそ720万人の人が訪問しています。
こちらからは、人口の92%がインターネットを、89.5%がSNSを使用していることがわかります。
このようにインターネット媒体を駆使したデジタルマーケティングに取り組んでいくことでターゲット層に認知を広めることができるでしょう。
シンガポールでのマーケティング方法
シンガポールでマーケティングを行う際、具体的な方法を4つご紹介します。
①webマーケティング
SEO (検索エンジン最適化):Google やYaho!などの検索エンジンでの上位表示を目標とし、WEBサイトの改善やコンテンツ制作を行います。
②ECサイト
ウェブサイトやSNSで有用な情報を提供することで、ターゲット層の関心を引き、ブランド認知や信頼度を高めることを目的としたマーケティング手法です。
③プロモーション
企業が製品やサービスを消費者に販売するためにキャンペーンを行ったりする方法。たとえばシンガポールの祝日に合わせてディスカウントセールなどをすることができます。
④デジタルマーケティング(Google広告・SNS広告など)
SNS広告、SEM広告、コンテンツマーケティング、メールマーケティング、リターゲティング広告などを活用して、オンライン上でのマーケティングを行う方法です。
シンガポールにおいてデジタル化が進み多くの人がインターネットやSNSを使い情報収集をしている中、デジタルマーケティングを活用しない手はありません。
シンガポールでキャンペーンを成功させるためには
シンガポールでSNSを活用し成功させるキャンペーン方法についてご紹介します。
①シンガポールで主流なSNSの種類
SNSは世界各国によって使われているものが異なります。シンガポールの場合は、公用語が英語なのでグローバルメディアが多く使われているようです。
なかでも主に知られている以下のSNSにおいて、広告を使用してリーチできる潜在視聴者数が下記であることがDIGITAL 2022 SINGAPOREによってわかります。
Youtube:508万人 Facebook:355万人 Instagram:305万人 Tik Tok:183万人 LinkedIn:320万人 Twitter:285万人 |
②成功するGIVEAWAY のやり方
SNSを活用してデジタルマーケを行う時の方法として「GIVEAWAY」があります。
これは企業が参加者に無料で何かをプレゼントする代わりに、フォローをしてもらったり、参加者の友人をタグ付けしてもらうことで集客をしてもらうやりかたです。
企業側としては、既存のフォロワーを維持しながら新規のフォロワーを増やすことができます。一方で参加者は気軽に参加することができるうえに、好きなブランド商品を無償でもらえるというお互いが対等なキャンペーンとなります。
ただ成功するGIVEAWAY にしていくためには企業がどのような目的で行うのか、参加者の規約などについて明確に考えておくことが大事です。プレゼントは参加者にとって何か価値があると思わせるものがよいでしょう。
さらにコメント数がある方がエンゲージメント数が上がるので友人にコメントを入れてもらうよう促すというやり方もありです。さらに参加者をインフルエンサーにしぼっておくと、商品が一気に広まりSNSの情報を信頼しているシンガポールではやりやすい方法だと言えるのではないでしょうか。ローカルに合わせて運用していくことが大事です。
③成功事例
事例をご紹介します。
①韓国料理店 |
目的 | 認知拡大とフォロワーの増加 |
キャンペーン設計 | アカウントフォロー&いいね お友達2人を投稿にタグづけ |
広告費 | S$ 50 |
結果 | 約2週間でおよそ300人のフォロワー増加 コメント数が17000件以上となり、リーチ数が5542に。 |
定期的にGIVEAWAYを取り入れることで新規獲得とリテンションにつなげることに成功。
②和食料理屋 |
目的 | 認知拡大、来店数数とフォロワーの増加 |
キャンペーン設計 | インフルエンサーが投稿した内容を来店時に提示することで提示で$15相当の大人気とり天が無料で提供される |
結果 | 各インフルエンサーから15件ほど来店 |
定期的にGIVEAWAYを取り入れることで新規獲得とリテンションにつなげることに成功
シンガポールでのマーケティングの鍵はSNS
今回は、東南アジアのハブと言われるシンガポールでの成功するマーケティング方法をご紹介しました。常に進化し続けるシンガポールではSNSの運用の仕方が鍵を握ります。経済の状況を見ながら現地の文化・トレンドに合わせていくことが必要といえるでしょう。
会社が伝えたいことを軸にターゲットを定め、SNSをうまく駆使していくことが大事です。
●記事内容は執筆時点の情報に基づきます。
【関連記事】
シンガポールのビジネス情報や最新記事、セミナー情報をLINE・YouTubeでお届けしています!
ぜひお友だち追加・チャンネル登録をお願い致します。