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世界人口密度ランキングを徹底解説!〜シンガポールは何位?【最新】

世界には人口密度が非常に高い国と低い国が存在します。シンガポールは人口密度ランキングでも常に上位。都市国家が抱える密集特有のビジネス環境、その背景を解説します。

世界人口密度ランキングとは?

世界人口密度ランキングとは、各国の国土1㎢あたりに居住する人口の数を比較し、順位付けしたものです。国ごとに土地面積や都市化の進展は大きく異なり、多くの場合、都市国家や特定の条件を満たす経済地域が上位にランクインします。今回はWorld Population Reviewが発表した、2025年版人口密度別の国別ランキングを紹介します。

世界人口密度ランキングTOP10

順位国名人口密度(人/km²)人口(2025年)面積(km²)
1マカオ21,946722,00733
2モナコ19,17138,3412
3シンガポール8,1775,870,750710
4香港7,0447,396,0801,100
5ジブラルタル(英領)5,90140,1267
6バーレーン2,0931,643,330765
7モルディブ1,766529,676300
8マルタ1,704545,405316
9バングラデシュ1,350175,687,000147,600
10シント・マールテン
(オランダ領)
1,29243,92334
41日本338123,103,000377,900
出典:World Population Review – Countries by Population Density 2025

1位:マカオ

マカオの人口密度は1km²あたり21,946人と、世界最高を誇ります。マカオといえばカジノリゾートが有名で「東洋のラスベガス」と呼ばれるほど。GDPの約5割がカジノに依存しているほどのゲーミング大国として知られています。

近年の右肩上がりの状況は、カジノや観光を中心とした経済発展による都市集約が進み、限られた土地、特にマカオ半島とタイパ島に住宅・商業施設が高度に集積していること、またコロナ禍以降にマカオ居住の海外労働者が戻ってきたことなどが大きな要因とみられます。

2位:モナコ

モナコは地中海沿岸に位置する小規模な都市国家で、観光産業・銀行業・ゲーミング産業を基盤としています。バチカン市国に続く世界で2番目に小さい国ですが、人口密度は19,171人/km²と世界で2番目を誇ります。人口の約86%(約33,000人)が首都のモナコ市に集中しており、一極集中の構図となっています。

ここ十年にわたって人口密度はほぼ横ばいですが、総人口密度は1平方マイルあたり48,466人を超えるといわれており、小さな国土に多くの居住者がひしめいていることがわかります。各市にはモナコ人のほか、フランス人やイタリア人、ベルギー人などさまざまな民族が住んでおり、全体的に富裕層が多い国となっています。

3位:シンガポール

シンガポールは国土約720km²の中に約600万人が暮らしており、1km²あたりの人口密度は8,177人と、世界第3位にランクインしています。多民族・多文化国家であり、人口の大部分は中華系(約74%)と言われています。2015年から2025年の間では、コロナ禍の2020年から2023年までを除き、毎年微量ながらも人口は増えており、この10年で人口密度は6%以上増加しています。

シンガポールは東南アジア随一の金融・商業・貿易都市で、都市設計とインフラ整備が計画的に推進されています。特に首都のシンガポールでは、政府や外資からの投資も手伝って、金融セクターとテクノロジー部門が強力な国の牽引力となっています。

高層住宅や緑地規制・多彩な公共交通機関により、「高い人口密度」でもビジネス快適性が維持されています。都市国家らしいコンパクトな地理が国全体の高効率を実現しています。

4位:香港

香港も高密度都市の代表例です。人口は約740万人。人口密度は7,044人/km²で今回のランキング第4位です。香港はマカオとともに中国の特別行政区の一つです。不動産価格の高さが特徴で、効率性と利便性を追求した建物・都市構造が形成されています。特に国際金融ハブとしての地位は依然として高く、世界の主要金融センターの指数で世界第3位と上位に位置しています。

香港の人口は2001年にはすでに670万人に達していましたが、2020年以降は「ゼロコロナ」政策による若年層の国外流出や低出生率、移民の減少などにより、人口増加率は低下傾向にあります。

5位:ジブラルタル(英領)

ジブラルタルの人口密度は5,901人/km²で第5位にランクインしています。7km²と非常に狭い国土の中に4万人以上の人々が居住しているため、必然的に人口密度も高くなります。30年前の1995年以降、徐々に人口が増え続け、今や当時の46%もの増加となっています。

ジブラルタルは統治しているイギリスの影響で金融やギャンブル関連、観光、海運業が盛んであり、他のEU諸国やアフリカからも観光客が多い国です。近年では暗号通貨で取引できる統合型取引所の設立計画が進められていることから、各国の資産家を今後惹きつける可能性もあります。

41位:日本

日本は世界で10番目に人口が多い国であるものの、人口密度は世界ランクで41位となっています。日本は世界的には高人口密度国に数えられますが、都市部と地方で密度に大きな差があるため、統計上で平均値が下がり、上位の国々ほど超高密度な国とは言えない状況となっています。

国土全体の61%が居住困難な山地で、平野部や盆地に居住区があることも、人口密度がそれほど上がらない一因です。

上位国の共通点と特徴

▪ 限られた土地資源
▪ 都市国家または特別行政区
▪ 経済集中(金融、観光、貿易)
▪ 高度な都市インフラ・公共交通
▪ 高層住宅・オフィスビルの密集
▪ 生活利便性の高さ
▪ 都市計画の徹底

人口密度「高い」=住みにくいではなく、効率や快適性を追求した都市設計が共通点です。

世界人口密度が低い国ランキング

順位国名人口密度(人/km²)推定人口面積(km²)
1グリーンランド0.1455,745約2,200,000
2フォークランド諸島0.283,469約12,200
3モンゴル23,517,100約1,600,000
4西サハラ2600,904約266,000
5オーストラリア426,974,000約7,700,000
6フランス領ギアナ4313,666約83,500
7ナミビア43,092,820約825,600
8アイスランド4398,266約103,000
9スリナム4639,850約163,800
10リビア47,458,560約1,800,000
出典:World Population Review – Countries by Population Density 2025

1位:グリーンランド

グリーンランドは世界最大の島でありながら人口密度は0.14人/km²と最も低く、220万km²の国土に5万5700人しか住んでいません。現在、グリーンランドはその陸地面積の75%以上が氷床で覆われています。その関係からか人が住んでいるのは沿岸部のみです。

過酷な気候による未開発地域が多く、この30年間で人口密度もほぼ横ばいとなっています。最近では地球温暖化の観測場所としても知られるようになり、近隣諸国からのツアー観光客も増え始めています。

2位:フォークランド諸島

人口密度が世界で2番目に低いのは0.28人/km²のフォークランド諸島です。フォークランド諸島は国というよりはイギリスの海外領土という扱いです。南大西洋に位置し、南極に近い冷涼な海域にあるため、ペンギンの生息地としても有名です。

人口は極端に少なく、上述のグリーンランドと同じく、この30年間で人口も微量の増減にとどまっています。経済基盤は、漁業許可証と羊の牧畜を主としています。

3位:モンゴル

3番目に人口密度が低いのはモンゴルです。国土1km²あたりに住んでいるのはわずか2人。大草原と砂漠が続き、遊牧民文化と相まって人口が分散しています。ウランバートルなど都市部以外では人影はまばらです。

ただし、90年代の民主化以降の経済発展や、1日当たりの高い人口純増もあってか、この30年間で微量ながらも人口は増え続けています。国の経済は主に鉱山の採掘業や観光業によって成り立っています。

4位:西サハラ

第4位は西サハラ。2人/km²という低い人口密度で、国土の大半は砂漠です。政情の特殊性と、砂漠特有の過酷な自然条件から、居住地は大西洋に面した首都ラユーンとダクラの2都市に限られています。

5位:オーストラリア

オーストラリアはその広大な国土が特徴ですが、人口は約2,700万人と少なめです。その多くは内陸部の「アウトバック」と呼ばれる乾燥高原地帯で、人口はシドニーやパース、メルボルンといった沿岸都市部に集中しており、国全体としては低い人口密度です。2020年までは安定的に移住者が増えていましたが、ここ数年はビザの申請が厳格になったこともあって、以前と比べると人口増は減少傾向です。

主要産業は農林水産業、鉱業、製造業、金融業、サービス業など多岐にわたります。

低密度国の共通点・特徴

▪ 厳しい気候や地形(寒冷地、砂漠、ステップなど)
▪ 未開発または自然豊かな土地
▪ 都市への人口集中・地方の過疎化
▪ 資源の輸出や観光業が主要産業となるケースが多い

極端な人口密度がもたらすビジネスへの影響とは

人口密度が高い国では、土地利用効率・都市インフラ・多様な人材の確保がカギです。特にシンガポールのような都市国家では、ビジネスに必要なインフラ、アクセスの良さ、多様で高度な人的資本などが高密度ならではの競争力となっています。

他方、低人口密度国では、通信や物流コスト、政情の安定化、人材確保など独特の課題も多く、住民の分散とインフラ整備の兼ね合いが重要なテーマとなります。ビジネス戦略策定の際は、こうした密度の「違い」への対応が不可欠です。

●記事内容は執筆時点の情報に基づきます。


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