シンガポールで出会った日本の伝統技法―コンテンポラリーアートになあれ。-松島 久美子(アーティスト、Art Resilience Director)

シンガポールで訪れた人生の転機

質問:初めてこの国に来た時の衝撃や、シンガポールを「自分事」として捉えるようになった決定的な瞬間はいつでしたか?
シンガポールでは作品を販売するには会社または個人事業の登録が必要と知り、大きな衝撃を受けました。それまでニューヨーク、香港、東京で制作を続けてきたものの、活動は趣味の延長でした。
これを機に個人事業を開業し、公募や展示へ積極的に挑戦。一昨年からグループ展30回出展、個展3回を開催しました。おかげ様で今ではフルタイムのアーティストへと成長し、ローカル・アーティスト・グループの一員として制作することができるようになりました。
異文化を超えて見つけた、アートの可能性

質問:活動においてのこだわり・他にはない強み、また、そこに込められた思いについてお聞かせください。
東京、モントレー、ニューヨーク、香港、シンガポールと海外生活が25年。異文化体験と日英通訳・翻訳、マーケティング、ジャーナリズム、音楽産業という異業種経験が制作に活き、インスピレーションの源になっており、それが私の強みです。
神経症性鬱を経験したこともありますが、ニューヨークである日突然絵が描きたくなり、絵を描き始めたら完治、アートセラピーを身をもって経験しました。日本では専門にアートを勉強したことがなかったので大変不思議な経験でした。アートは命の恩人、一昨年からセラピー・アートや金継ぎを教え始め、講演も始めました。
今後の抱負

質問:シンガポールという国と今後共にどのように歩み、寄与し続けていきたいですか?
私の絵が、この秋出版される金継ぎの本の表紙に選ばれました。初めて作った彫刻はヒビが入ってしまいましたが、シンガポールで出会った金継ぎで修復、公募展で受賞。「傷を隠さず魅力に変える」金継ぎ哲学に感銘を受け、以来コンテンポラリーな金継ぎアートを作ったり、セラピー・アート・ワークショップを主宰しています。
うつ病サバイバーとして、引きこもりや鬱に悩む人々が回復していく役に立てたら嬉しいと考えています。本の表紙など今後更に面白いコラボの機会があると嬉しいです。来年2月には日星文化交流がテーマのグループ展を企画、両国の文化を結ぶ一助となれば幸いです。
シンガポールのここが好き!
質問:シンガポールの文化・街の在り方、特にここが素晴らしいと感じるところは?
外国人の私をシンガポールのアート界は快く受け入れてくれ、すでに画廊の展覧会にも出展しています。個人事業を始めるのは大変でしたが、逆説的に、お陰様でフルタイム・アーティストとなることができ、今では感謝しています。
Profile:インタビュイー紹介

アーティスト、Art Resilience Director
松島 久美子(Kumiko Matsushima)
東京出身。早大政経学部卒、MBA。カルティエや放送通訳を経てニューヨークでアートに目覚め、Pratt Instituteを首席卒業。2021年シンガポール移転。金継ぎに出会いフルタイム・アーティストに。国内外で受賞・作品収蔵多数。(イギリス、アメリカ、フランス、香港、シンガポール、マレーシア、日本)
| ■アーティスト、Art Resilience Director 松島 久美子 |
| ◉アート制作、個展やグループ展への出展、講演、デッサン、インク・ブローイング、金継ぎ等のセラピー・ワークショップを主宰、講師も務める。博物館や書籍の表紙を含む受注制作も行い、衣服デザインも始めている。 📩E-mail:kumikomatsushima333@gmail.com 🌐WEBサイト 📲X |
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