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第325回 資産が増えるほど「銀行に全部お任せ」ではなくなる──シンガポール富裕層が使うEAM、そのメリットと意外な落とし穴

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第325回 資産が増えるほど「銀行に全部お任せ」ではなくなる──シンガポール富裕層が使うEAM、そのメリットと意外な落とし穴

資産が増えたら、プライベートバンクに口座を開き、優秀な担当者に運用を任せればいい。日本では、そんなイメージを持っている人も多いかもしれない。

確かに、プライベートバンク(PB)は富裕層の資産管理において重要な存在である。一般の銀行や証券会社では扱っていない商品にアクセスできたり、専任のRelationship Manager(RM)がついたりする。

しかし、シンガポールの富裕層やファミリーオフィスの世界を見ていると、必ずしも「一つの銀行に資産を預け、すべてをその銀行に任せる」という形ばかりではない。むしろ資産が大きくなるほど、「お金を置いておく金融機関」と「そのお金をどう運用するか考える人」を分けるという発想が出てくる。

そこで登場するのが、EAM(External Asset Manager)である。日本ではまだあまりなじみのない言葉だが、シンガポールのプライベートウェルスの世界を理解するうえでは、知っておいて損はない仕組みである。

そしてEAMを知ると、「お金持ちになるほど特別な金融商品を買う」というより、実は、「誰に、どの機能を任せるのか」の方が重要になっていくことが見えてくる。

EAMとは「銀行」と「運用する人」を分ける仕組み

EAMを非常に簡単に説明すると、銀行などの金融機関とは別の立場から、顧客の資産運用や助言を行う会社である。通常のプライベートバンクでは、

銀行
=資産を預ける場所
+運用を提案する場所

という形になりやすい。

これに対してEAMを利用すると、

銀行・証券会社=資産を保管する場所
EAM=資産を運用・助言する会社

というように機能を分けることができる。

例えば、顧客自身が銀行に自分名義の口座を持ち、資産はそこに置いたまま、EAMが契約に基づいて運用助言や取引を行う、といった形である。

つまり、資産そのものをEAMに預けるというより、資産を保管する機能と運用する機能を分けるのである。ただし、ここには一つ重要な注意点がある。

「EAM」という名前そのものが、シンガポールにおける独立した金融ライセンスの名称になっているわけではない。

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プロフィール

花輪陽子

1級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)CFP®認定者。

「ホンマでっか!?TV」などテレビ出演や講演経験も多数。 http://yokohanawa.com/

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Twitter:@yokohanawa
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