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第317回 「お金持ちほどモノを持たない」と感じた理由

【~連載~FINANCIAL PLANNING シンガポールでおトクに賢く生きる】
第317回 「お金持ちほどモノを持たない」と感じた理由

ファイナンシャルプランナーとしてシンガポールで多くの富裕層や超富裕層の方々のご自宅を訪問する機会がありました。そこで気づいたことがあります。

それは、「お金持ちほどモノを持たない」ということです。もちろん、高級家具やアート作品が置かれていることはあります。しかし、どのお宅も共通しているのは、必要以上のモノがなく、驚くほど整然としていることです。

一方で、お金がなかなか貯まらないという相談を受けるご家庭ほど、モノが溢れているケースが少なくありませんでした。

収納スペースはいっぱいで、どこに何があるのか把握できていない。買ったことすら忘れているモノもある。結果として同じようなモノを何度も購入してしまう。そんな悪循環に陥っていることも珍しくありません。

超富裕層の方々を見ていると、モノに対する考え方が根本的に違うように感じます。彼らはその時に必要なものには惜しみなくお金を使います。しかし、役目を終えたものには執着しません。

ある超富裕層の方は、入院中に時間ができたため、かなり複雑なレゴを組み立てて楽しんでいたそうです。ところが退院後、そのレゴはもう必要なくなりました。私はてっきり飾っているのかと思いましたが、「捨てたよ」という答えが返ってきました。

決して安いものではありません。しかし、その方にとっては「十分に楽しんだので役割を終えた」ということなのでしょう。おそらく彼らは未来の自分を信じています。また必要になったら、その時に買えばいい。そう考えられるからこそ、過去に支払ったお金に縛られないのです。

一方で、私たちはつい「高かったから」「まだ使えるから」「もったいないから」と、使っていないモノを抱え込んでしまいます。しかし、その結果として収納スペースが埋まり、本当に必要なモノが見つからなくなり、余計な買い物をしてしまうこともあります。

今回の引っ越し準備で、私自身も大量のノベルティグッズやエコバッグを処分しました。イベントやセミナーでいただいたもの、企業からいただいた記念品、プレゼントとして受け取ったものなどです。

一つひとつは悪いものではありません。しかし気づけば、使っていないエコバッグだけでも相当な量になっていました。書類も同じです。

「あとで見よう」と思って保管していた紙の多くは、結局一度も見返していませんでした。むしろ、本当に必要な書類を探す妨げになっていたのです。

これからは引っ越しの時だけではなく、普段から不要なモノを家に持ち込まないことを意識したいと思っています。無料だからもらう。せっかくだから持ち帰る。いつか使うかもしれないから取っておく。そうした小さな積み重ねが、気づかないうちに住空間や思考を圧迫していきます。

逆に、必要のないものは持ち帰った段階で手放す。そうすれば収納スペースだけでなく、探し物に使う時間や管理する手間も減ります。

お金持ちほどモノを持たないのは、ケチだからではありません。本当に価値のあるものに集中するために、それ以外を手放しているのです。物価高の時代だからこそ、「何を買うか」だけでなく、「何を持たないか」を考えることが、家計管理の第一歩なのかもしれません。


プロフィール

花輪陽子

1級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)CFP®認定者。

「ホンマでっか!?TV」などテレビ出演や講演経験も多数。 http://yokohanawa.com/

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Twitter:@yokohanawa
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