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第315回 AI相場の熱狂とスタグフレーションの影 私が資産を「守り」に切り替え始めた理由

【~連載~FINANCIAL PLANNING シンガポールでおトクに賢く生きる】
第315回 AI相場の熱狂とスタグフレーションの影 私が資産を「守り」に切り替え始めた理由

株価は史上最高値圏。しかし、多くの人は「生活が楽になった」とは感じていません。むしろ、食費や光熱費の上昇、住宅価格の高騰、将来不安、地政学リスクによって、日常のストレスは増している人も多いのではないでしょうか。この「株価は強いのに、実生活は苦しい」というズレこそが、2026年の世界市場を象徴しているように感じます。

現在のマーケットは、非常に“ねじれた”状態にあります。一方では、AI革命と半導体需要の急拡大によって、米国株を中心に株価は史上最高値圏を更新しています。特にAI関連企業の利益成長期待は極めて強く、「次の産業革命が始まった」という熱狂すら感じられます。

しかしもう一方では、原油供給ショック、巨額の財政赤字、米中対立、欧州情勢、インフレ再燃リスクなど、世界経済を揺るがしかねない火種も確実に積み上がっています。つまり現在のマーケットは、「AIによる強気相場」と、「スタグフレーション懸念」が同時に存在する、非常に難しい局面に入っているのです。

私自身、この“ねじれ”とスタグフレーションのリスクを重く見て、足元で大きな資産シフトを行いました。これまで保有していた株式や貴金属の一部を利益確定し、シンガポールの不動産へと資金を動かしたのです。

不動産は、立地や取得価格さえ間違えなければ、スタグフレーション局面に比較的強い資産だと考えています。特に大きいのは、「レバレッジ」が使えることです。

個人が長期・低金利で大きな資金を借りられる資産は、実はそれほど多くありません。不動産は、会社員やビジネスオーナーがレバレッジを活用しながら資産形成を行える、非常に強力な手段のひとつです。

さらに、金融資産はシステム障害やサイバーリスクの影響を受ける可能性がありますが、実物不動産は“そこに存在する資産”であることも強みだと感じています。

もちろん、不動産が万能というわけではありません。ただ、「インフレ」「通貨価値の低下」「金融システム不安」といった局面では、一定の防御力を持つ資産だと考えています。

また、住宅ローンについても、私はスタグフレーションによる金利高止まりリスクを意識し、固定3年で組みました。もちろん変動金利が有利になるシナリオも十分あり得ますが、会社員である夫の安定収入や、キャッシュフローの見通しを重視し、“まず防御力を高める”ことを優先した形です。

同時に私は、原油価格が長期的に高値圏を維持するシナリオも想定し、生活そのもののダウンサイジングも進めています。例えば、住居費など固定費の見直し、クレジットカードを1枚に絞る、無駄なサブスクの整理、交際費や“なんとなく消費”の削減などです。

最近は、トレーニングもなるべく自宅中心に切り替えています。もちろんジムや外食を否定したいわけではありません。ただ、これからの時代は、「いくら稼ぐか」だけではなく、「固定費をどれだけコントロールできるか」が、そのまま資産防衛力につながっていくと感じています。


プロフィール

花輪陽子

1級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)CFP®認定者。

「ホンマでっか!?TV」などテレビ出演や講演経験も多数。 http://yokohanawa.com/

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Twitter:@yokohanawa
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