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第314回 勉強しろより効いた一言は「年収」でした

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第314回 勉強しろより効いた一言は「年収」でした

「子どもには勉強しろと言うより、金銭教育をした方がいい」これは机上の理論ではなく、日常の中で実感することがあります。

先日、我が家でこんな出来事がありました。夫がIT分野で働いていることもあり、住宅ローンを比較的余裕をもって組めたという話や、海外のAI企業ではエンジニアの報酬が非常に高いという話を、何気なく娘にしました。

例えば、トップ層になると年収がS$100万を超えるケースもある、という現実です。すると12歳の娘は、その話をきっかけに行動を一変させました。

それまで選んでいたポップミュージックの専攻を見直し、自ら進んで数学の補講や宿題に取り組み始めたのです。最終的には「アートとテックの両方をやりたい」と方向性を修正しました。

この変化は、「勉強しなさい」と繰り返し言った結果ではありません。実際、数学の補講が無料であることを何度も伝えても、それまではほとんど参加していませんでした。ところがある日、予告もなく突然参加し、アクティビティバスと公共交通を使って遅くに帰宅しました。あまりに遅かったため、思わずバス会社に連絡してしまったほどです。

お金や仕事の現実に触れたことで、「なぜ学ぶのか」を自分なりに考え始めたのだと感じています。

多くの子どもにとって、勉強は目的ではなく手段です。しかし、その“手段である理由”を知らなければ、どうしても受け身になりやすいものです。

一方で、収入の仕組みや職業による違い、スキルと報酬の関係を知ることで、学びは一気に自分ごとになります。また、金銭教育の価値は「稼ぐ力」だけにとどまりません。限られたお金をどう使うか、何に価値を感じるかという判断は、人生全体の選択に直結します。こうした感覚は、早い段階からの経験によって育まれるものです。

もちろん、大切なのは「お金だけ」で進路を決めないことです。

今回の娘のように、最初は収入の話に影響を受けたとしても、最終的に「アートとテック」という形で自分なりの興味に落とし込めているのであれば、それは健全な変化と言えるでしょう。勉強を強制するよりも、世界の仕組みを伝えること。

その中に「お金」という現実的な視点を含めることで、子どもは自分の意思で動き出します。

金銭教育は単なる知識ではなく、「学ぶ意味」を照らす灯りなのかもしれません。

 


プロフィール

花輪陽子

1級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)CFP®認定者。

「ホンマでっか!?TV」などテレビ出演や講演経験も多数。 http://yokohanawa.com/

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Twitter:@yokohanawa
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