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第284回 米国債格下げ 日本は最大の保有者だけど大丈夫?

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第284回 米国債格下げ 日本は最大の保有者だけど大丈夫?

5月16日にムーディーズが米国債(UST)の格付けをAAAからAa1に1段階引き下げたことは、S&Pとフィッチによるこれまでの動きと同様で、市場への影響は比較的小さく、10年債利回りはほとんど変わらず終了しました。

信用格付けの調整があったものの、米国債は依然として世界的に主要な安全資産であり、米ドルを保有する投資家にとって真の代替手段はないからでしょう。

また、ムーディーズは比較的最近のレポートでこれを予告しており、見通しはすでにネガティブで、多くの投資家が織り込んでいたからです。

現在、大手3社(ムーディーズ、S&P、フィッチ)のすべてが米国債の見通しを安定としています。一般的に、次の格下げが行われる前にこれらは「ネガティブ」に変わります。国債利回りの方向性は経済データと連邦準備制度の政策が最終的に左右されることになりそうです。

注意点としては、30年債券の利回りを見ると、UK、US、ドイツ、日本共にこの数年間ジリジリと上がっていることがあります。

現在、米国債の最大の保有者は米国以外の投資家です。その中でも日本は最も米国債を保有する割合が高くなっています。中国は2015年に比べて米国債の保有額を大きく減らしています。また、UKの米国債の保有比率が高くなっています。

米国以外の投資家による米国債売却が大きな注目を集めていますが、今のところ米国以外の投資家による広範な投資撤退の兆候は見られていません。しかし、海外投資家は外貨準備の分散化を進めており、米国債入札への参加を控えている兆候は見られます。長期金利の上昇と同時に、米ドルの下落も見られました。

これらは懸念材料とはなるものの、10年前よりも投資家が分散しており、世界中の投資家が米国債を保有する割合は低くなっています。その代わりに家計やヘッジファンド、商業銀行などの保有比率が高くなっています。
国債市場の混乱:FRBはどのように反応するか?| キャピタル・グループ

ゴールドマン・サックスは、中央銀行からの予想以上の需要と景気後退リスクによる上場投資信託(ETF)の流入増加を理由に、2025年末の金価格予想を1オンス当たり$3,300から$3,700に引き上げ、予想レンジを$3,650~3,950としました。

ポートフォリオに金や銀などのコモディティーを含めることは検討できます。しかし、コモディティのデメリットは配当が出ないので値上がり益しか期待できないことです。

また、ETF(上場投資信託)を利用する場合、流動性もしっかりと見極めることが重要です。もともと先物価格より乖離している上に、ETFで保有コストもかかる上に配当もなく、売買する時も流動性が少ない銘柄だと利益を上げることが非常にむずかしいと学びました。

なんでもなくなってもよい小さい金額で買うだけではなく売りも経験してから金額を増やしていくのがよいのかもしれません。

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プロフィール

花輪陽子

1級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)CFP®認定者。
「ホンマでっか!?TV」などテレビ出演や講演経験も多数。 http://yokohanawa.com/

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Twitter:@yokohanawa
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