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第277回 トランプ貿易戦争と世界同時不況のリスク 不透明な時代での家計防衛術

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第277回 トランプ貿易戦争と世界同時不況のリスク 不透明な時代での家計防衛術

米トランプ政権は輸入される鉄鋼製品とアルミニウムに25%の関税を課す措置を、日本時間の12日午後に発動しました。すべての国が対象となり、日本から輸出される製品にも関税が課されることになります。トランプ政権は国内で製造業を復活させたり、雇用を守るために不可欠な措置だとしています。

これに対して、EU(ヨーロッパ連合)は最大で260億ユーロ(4兆2,000億円相当)にのぼる経済規模の対抗措置を講じると発表しました。具体的にはアメリカから輸入する製品に2段階で関税を課す方針で、4月1日からはトランプ政権の1期目で関税を課したオートバイやバーボンウイスキーなどを再び対象とし、4月13日までに、農産物やプラスチック製品などへの関税を新たに導入する方針です。

中国もトランプ政権の関税を批判し、「必要なあらゆる措置をとって自国の合法的な権利と利益を守る」と強調しています。米著名投資家のウォーレン・バフェット氏は3月2日に放映されたCBSのインタビューで「われわれは関税について多くの経験を積んできたが、関税は実際のところ、ある程度の戦争行為だ」と語っています。

米投資家ウォーレン・バフェット氏、関税は「ある程度の戦争行為」CNN.co.jp

株式市場はトランプ氏の発言に反応し、投資家の不安が強まっていると判断される恐怖指数も高くなっています。投資家のリスク回避の傾向が強まり、株式市場での売り圧力が増し、株価の下落リスクが高まっています。

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■自動車に対する関税

トランプ大統領は2月、アメリカに輸入される自動車に対して、4月にも25%前後の関税の発動を検討していることを明らかにしています。2024年の日本の米国に対する自動車の輸出額は6兆261億円で、米の輸出全体の28.3%を占めています。

今のところ2.5%の関税が課されていますが、大幅に引き上げられることになれば、自動車メーカーや部品や素材など幅広い産業に深刻な影響が及ぶ可能性が指摘されています。関税が影響する業界の裾野まで考慮に入れると凄まじい影響があり、日本の経済成長も大きく押し下げる影響がありそうです。

■トランプ政権下での家計の守り方

トランプ大統領は日本が円安誘導していると名指しで批判しています。これによって円高ドル安が進行しました。また、株価は乱高下しています。昨年始まった新NISAですが、2024年初めは日経平均株価も右肩上がりでしたが、そのような相場は終わりを迎えているように感じます。

関税でインフレ率が上昇すれば、家計は節約をしてその分をまかなおうとしますので、それが景気低迷を引き起こすリスクがあります。短中期的には損失が出ても積立を長期で継続させるなど目先の変動にとらわれ過ぎないことが重要です。

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プロフィール

花輪陽子

1級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)CFP®認定者。
「ホンマでっか!?TV」などテレビ出演や講演経験も多数。 http://yokohanawa.com/

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