【~連載~FINANCIAL PLANNING シンガポールでおトクに賢く生きる】
第265回 トランプ政権誕生でインフレリスク
関税、債務増で高金利シナリオも?民主党の分裂とカマラハリスのポジション
米大統領選挙に関しては、ギャラップ調査で1992年の調査開始以降30年以上ぶり初めて共和党支持者を自認する有権者が民主党支持者を上回るという歴史的な出来事が起こりました。
調査通り毎回民主党が勝つわけではないのですが、初めて共和党支持者が上回るというのは注目すべきです。実際、マーケットもトランプ政権誕生を折り込み、10年債券の利回りが上昇しており、円安ドル高も再度進行しています。トランプ政権になった場合、関税が引き上げられ、インフレリスクが懸念されます。
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私は10月18日にシンガポールのマリーナベイサンズコンベンションセンターで行われたFUTURE CHINA GLOBAL FORUM 2024に参加しました。
そのイベントでは、元シンガポール首相のリー・シェンロン氏や世界最大のヘッジファンド、ブリッジウォーターの創業者であるレイダリオ氏が登壇していました。彼らの講演の中でもトランプ氏かハリス氏が大統領になった場合のシナリオなどを質問している方が多い印象でした。
ジム・ロジャーズ氏も保護主義を否定しており、以前から関税に関しては反対意見です。
「アメリカが中国に高額な関税をかけたところで、彼らは発展途上国など他の国に輸出するかもしれません。世界にはたくさんの国があって、多くの国がお金を持っています。中国は他の市場を見つけており、それは今後も続くでしょう。
アメリカは自らの足を銃で撃っているようなものです。アメリカは自分自身のためになっていません。こんなことをして何かいいことがあるのでしょうか。中国や他の国に他の市場を見つけさせることになります。そして、それはアメリカにとっても良くありません。」
15日のWSJでは、2024年の米大統領選に関連する経済学者の予測に基づく、トランプ氏とハリス氏の政策による経済的影響がまとめられています。
経済と移民の問題で共和党の方が上手く対応できると考えている有権者が多いとされています。トランプ氏の方がハリス氏より明確な経済政策の発信をしており、ハリス氏も具体的な政策提言が求められています。そんな中、民主党内でも分裂をしており、ハリス氏が穏健派にいるのか、極左にいるのか、彼女のポジションを気にする有権者が増えています。
■分裂する米国と地政学リスクの上昇
また、大統領選挙で不安定な米国ですが、このような中で地政学リスクが高まっています。レイダリオ氏は22日のニュースレターの中で、覇権争いにチャレンジする勢力は派遣国の国内分裂などの弱点を突く傾向があり、現在は非常にリスクが高い瀬戸際になっていると解説しています。
トランプ政権が誕生したらアメリカは内向きになる可能性もあり、ウクライナや中東情勢も新たな展開を見せる可能性もあります。
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プロフィール
花輪陽子
1級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)CFP®認定者。
「ホンマでっか!?TV」などテレビ出演や講演経験も多数。 http://yokohanawa.com/
Website Twitter:@yokohanawa |
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