【~連載~FINANCIAL PLANNING シンガポールでおトクに賢く生きる】
第257回 利回り10%も?!世界の超富裕層に人気のプライベート商品 日本のファミリーオフィスの実態
東京のホテルオークラでファミリーオフィスのフォーラムがありました。私はシンガポール人で中国のファミリーオフィスのインベストメントプロフェショナル(IP)をしている方と一緒に参加しました。
東京のイベントにも関わらず、シンガポールから来ているファミリーオフィス等が多く、驚きました。アジアの金融ハブのシンガポールでは、資産家一族の資産運用を手掛ける「シングルファミリーオフィス」は1400あり、東南アジアの50%のオフィスがシンガポールに集中しているとの調査結果もあります。
1400という数字は税制優遇などを受けるためにMASに登録している数字で実際には登録していないファミリーオフィスもあるはずなのでもっと多いと推測されます。外からお金を集めるのではなく、自分自身の資産を運用するだけであればライセンスなどは基本的には不要だからです。
「英不動産大手ナイト・フランクによると、総資産が3000万米ドルを超える超富裕層(UHNWI)の人数はアジアでは2023年時点で16万5442人。これが2028年には22万8849人になると同社は試算する。増加率は38%で、全世界平均の28%を上回るペースで加速する。」(日経)
現在、シングルファミリーオフィスを設立するにはファミリー以外のIPを雇う必要があり、それがローカルの金融出身者の雇用を産み出しています。IPは基本的に1社しか登録できないようで、幅広い方に仕事を提供しているように感じます。
今回のフォーラムでも世界のUHNWIは日本の不動産に投資をしているところが多いなという印象を持ちました。日本からの参加者は機関投資家でプライベート商品の担当者がメインでした。ファミリーオフィスだけではなく、日本の機関投資家の多くも伝統的商品以外にもプライベートエクイティ、プライベートデット、不動産などのオルタナティブ投資にこの数年は積極的で、ポートフォリオの割合を高めているようです。
オルタナティブ投資を提供しているファンドなども世界中から集まっていました。例えば、オーストラリアやニュージーランドの不動産ファンドなどです。利回りは年率10%程度出せるファンドが多い印象でした。
不動産に関しては高い利回りを目指せる商品はよくあり、日本円でも単身者向け住宅の一棟買いなどで10%弱の利回りを目指せるHNWI向けの投資方法もあり、ジャック・マー率いるYFキャピタルなども投資をしているようです。
米ドル預金などの無リスク資産の利回りが5%なので、10%程度の利回りがないと魅力を感じない投資家が多いという印象を受けました。
プロフィール
花輪陽子
1級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)CFP®認定者。
「ホンマでっか!?TV」などテレビ出演や講演経験も多数。 http://yokohanawa.com/
Website Twitter:@yokohanawa |
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