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第252回 金の価格は史上最高値なのに、なぜ金鉱株は上がらないのか

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第252回 金の価格は史上最高値なのに、なぜ金鉱株は上がらないのか

FPの花輪陽子です。「プロフェッショナルに質問」記事をシリーズで不定期で執筆予定です。約30年、ファンドマネージャーに従事していて、シンガポールのヘッジファンドでもCIOを経験された河北博光さんにマーケットについて質問しました。

花輪陽子(以下、花輪):中東情勢が不安定化しており、金の価格が史上最高値を付ける中、なぜ金鉱株の株価は上がらないのでしょうか?

花輪:過去には金と金鉱株が連動して上昇することがありましたが、今回は金価格だけ上昇し、金鉱株の株価は上がってこないのはなぜでしょうか。そもそも金鉱株の株価は何で決まるものですか?

河北博光(以下、河北):個別銘柄の動きに関しては、それぞれ個別の理由があるので調べていただきたいですが、金鉱株の株価が金価格などと連動しないのにはいくつかの理由が考えられます。

金鉱株は、利益の将来予想に基づいて動く

河北:まず、大前提として金鉱株の会社の株はあくまで、彼らの利益・キャッシュフローの将来予想に基づいて動きます。そのため、例えば、彼らが持っている鉱山以外のビジネスがあれば、そのビジネスの状況も確認しなければなりません。通常は似たような動きをするものですが、鉱山から出る副産物の価格にも気を配る必要はあります。

花輪:たしかに!金鉱株の会社も鉱山を持っているだけではなく、様々な川下の事業を行っている場合もありますね。

河北:はい、ただそこまで話を広げると今回は大変なので、鉱山の持つ価値にだけ着目してお話ししますね。

花輪:鉱山の価値だけでしたら、やはり金鉱山を保有しているのであれば金価格に連動するんじゃないですか?過去には連動して上昇していたこともありますよね。

河北:そうですね。昔は単純に、埋蔵量×金価格のような計算をして、保有資産の価値から見て株価は安いなんて言う人がいました。でも、掘るのにはお金も時間もかかりますから、今の価格に埋蔵量をかけるというのは現実的ではありません。

花輪:たしかに、山にある倉庫に金の延べ棒が置いてあるわけではありませんからね。

金鉱株の2つの不確定要素

河北:そうです。時間をかけて掘っていくことで、主に2つの不確定要素があります。1つ目は将来の金の価格、2つ目は将来の採掘コストです。そこから計算される現在価値が、鉱山の持っている価値ということになります。

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プロフィール

花輪陽子

1級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)CFP®認定者。
「ホンマでっか!?TV」などテレビ出演や講演経験も多数。 http://yokohanawa.com/

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Twitter:@yokohanawa
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監修:花輪陽子

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