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-第245回- 日銀が利上げしても、円安が止まらない理由
マイナス金利が解除されると家計はどう変わる?

【~連載~FINANCIAL PLANNING シンガポールでおトクに賢く生きる】
-第245回- 日銀が利上げしても、円安が止まらない理由
マイナス金利が解除されると家計はどう変わる?

日銀は、3月19日にマイナス金利時代に終止符を打ちました。日銀の利上げのニュースは海外のメディアでも大きく取り上げられました。

日銀の基準金利はこれまでマイナス0.1%でしたが、翌日物金利をゼロから0.1%の範囲にとどめることを決定し、金融政策手段としてのマイナス金利の使用を終了した最後の中央銀行となりました。日銀はまたイールドカーブ・コントロールを解除しました。こちらは2016年に実施された別の政策で、10年物国債の利回りに上限を設けることで大規模な金融緩和策を強化するものでした。

日銀は日本国債を毎月約600億円(400億ドル)購入する政策を維持すると発表しました。他方で、上場投資信託と日本の不動産投資信託の購入は中止します。「大規模な金融緩和策が役割を終えた今、バランスシートの縮小を考える必要がある。将来のある時点で、日本国債の購入額を引き下げることになるでしょう」と上田氏は語っています。

日銀が国債の買い入れを続ける理由として、実質賃金がネガティブで推移していることが挙げられます。消費者物価指数の上昇は落ち着きが見られますが、物価で調整をした賃金がまだ弱く、家計は厳しい環境が続いています。このように、利上げは行うものの、金融緩和は継続させるというスタイルなので、日米の金利差は開いた状態が続くという見方が強まっています。

債券市場では10年債の価格が逆に上がって(利回りは下がって)、円を売って、米ドルを買う動きが進みました。次はいつ介入が行われるのか注目されているようです。

■マイナス金利が解除されると家計はどう変わるのか。

マイナス金利解除によって、メガバンクの金利が20倍程度に上昇するというニュースがメディアでも賑わっています。しかし、元々の金利が世界的に見ても低過ぎるので、円ベースでは、物価の上昇ほどは金利による収入が増えません。米ドルなどは、為替リスクはあるものの、6ヶ月の定期で、日本の金融機関でも5%前後の金利が付いています。

住宅ローンはどうでしょうか。短期プライムローンと連動している変動金利は据え置きですぐに負担は増えません。

固定金利は、長期金利を参考に決定されます。代表的なものに、「新発10年国債利回り」があります。利回りの水準は、国内外の投資家が参加する市場で決まります。

今回は、利上げのニュースがあっても、国債の利回りが下り、円安にふれました。将来的には利回りが上昇するリスクもあります。また、住宅ローンの長期金利の方が市場の実勢から先に金利が上がる傾向があります。

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プロフィール

花輪陽子

1級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)CFP®認定者。
「ホンマでっか!?TV」などテレビ出演や講演経験も多数。 http://yokohanawa.com/

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