HOMEコラム【~連載~FINANCIAL PLANNING シンガポールでおトクに賢く生きる】
-第243回- 物価上昇でコスパが悪くなるシンガポールでの生活

【~連載~FINANCIAL PLANNING シンガポールでおトクに賢く生きる】
-第243回- 物価上昇でコスパが悪くなるシンガポールでの生活

コロナから回復し、2023年に引き続き、2024年もシンガポールへ視察に来る日系企業が増えていると感じます。シンガポールでは他の東南アジア諸国と比べると、外資規制も少なく、ビジネスの場としては依然として視力的だからでしょう。

視察の目的としては、業界のカンファレンスやイベントへの出席のため、越境ECを広げるべく商品のプロモーションのため、創業者が企業の価値が低いうちに移住したいのでそのための学校や街の視察など様々です。

若手の起業家を中心に移住や法人だけこちらに立てる方が増えている一方で、古くからいた日本人の方が本帰国するケースも多いと感じます。2022年はシンガポールの消費者物価指数は6%上昇しました。2023年は、物価上昇率はやや落ち着いたものの、月によっては4〜5%前後の上昇でした。

これはローカルの方の物価で、外国人向けの賃貸住宅の上昇幅は非常に大きく、為替レートも1シンガポールドルが112円前後まで上昇をしています。日本円ベースで考えている日本人からすると、1シンガポールドルが80円だった頃より1.4倍も高くなっており、物価上昇を考えるとコロナ前の1.5倍程度のイメージです。

日本から教育移住などで視察に来る方も教育費や生活費が高過ぎてコスパが悪いという声もよく聞くようになりました。日本のインターでは、日本人の割合が多いものの、日本語も外国語もしっかりと学ぶことができます。

シンガポールのインターの特色としては日本人の割合は低く、2%程度の学校もあります。小学校の時に入学をした方が圧倒的に評判のよいインター校に入れる確率は高く、英語もネイティブと同レベルになります。幼稚園などより小さい年齢であれば難関のローカル校を目指すこともでき、その場合は値段もインターより安くなります。

シンガポールのインター校で子供を学ばせるデメリットは日本語の習得が難しくなることです。夏期などに日本の公立校に入れることは可能ですが、日本語だけしか話せない環境に身を置かないと塾に入れても身につかないようです。街で日本語を見る機会もないからです。漫画やゲームなども人気のものはほとんど英語になっています。

こうしたデメリットを考慮すると、日本のインターや私立を選ぶ富裕層も多いように感じます。また、公立の学校が充実しているオーストラリアやニュージーランドも移住先としては人気です。母国語が確立した後の中学や高校から母子で留学をするケースが多いです。また、物価が日本と比べてもまだ安いマレーシアもファイヤーをした方には人気です。ボーディングスクールに関しては、イギリス、スイス、アメリカ等では評判が高い学校が多いようです。

一度インターや外国での教育を選んだ場合、親の都合でそうそう簡単に進路を変えることができなくなります。また、大学や就職先などの出口をどうするかを考え続ける必要があります。自分達が経験をしたことがない受験制度の外国の大学を目指すわけなので、なかなか大変だと思います。教育費も高く、インフレで欧米系の大学の学費は天文学的に上昇をし続けています。

プロフィール

花輪陽子

1級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)CFP®認定者。
「ホンマでっか!?TV」などテレビ出演や講演経験も多数。 http://yokohanawa.com/

Website
Twitter:@yokohanawa
Facebook

新刊情報

『少子高齢化でも老後不安ゼロ シンガポールで見た日本の未来理想図』 (講談社+α新書)


バックナンバーはこちら
【花輪陽子のFinancial Planning】
チェックしたサービス0件を
まとめて請求 まとめて問い合わせ