【～連載～FINANCIAL PLANNING　シンガポールでおトクに賢く生きる】
-第240回-　シンガポール アート ウィーク 2024 世界の富裕層の動き
オルタナティブ投資が人気

シンガポール アート ウィーク2024が先月1月19日から28日まで開催されました。マリーナベイサンズコンベンションセンターを始めとし、様々なギャラリーでイベントがあり周辺国からも富裕層が集まっていたようでした。

アートに関してはシンガポールではこれから伸び代のある分野です。美術品に関しては、シンガポールでは消費税に当たるGSTが現在かかります。これに対して、香港で取引をされた美術品には税金がかかりません。そのため、美術品に関しては香港から出さないバイヤーも多く、優位性は香港にあります。また、高温多湿のシンガポールでは美術品の保間や展示には気を使います。

こうした美術品やアートなどの現物投資が富裕層の間では人気があります。また、プライベートエクイティなど上場前の企業への投資が主流になっているようです。

どのような企業に投資をするかはあらかじめセクターを絞り、そのセクターに詳しい企業や専門家を雇い、情報を得るそうです。資金力のあるファミリーオフィスの場合、しっかりと情報精査をすれば、上場企業に投資をするよりも高いリターンが期待できるそうです。

こうしたプライベートエクイティへの投資は、最低投資金額はそれほど高くないのですが、シンガポールでは適格投資家向けのサービスになります。金融資産や収入である一定以上の水準を満たしているかを証明する必要があります。

なかなかこうした資産には一般の人はアクセスしにくいのですが、オルタナティブ投資を小口化してくれるサービスも日本にはあります。ただし、現状では手数料が高いと感じます。一般の投資家はまずは、株、債券、コモディティなどに分散投資をし、興味があれば現物投資なども余裕資産の一部で行ってもよいかもしれません。

現物投資の注意点としては、株や投資信託のようにすぐに換金ができないことです。そのために、換金化に急がなくてもよい余裕資金で行う必要があります。


■ビックテックを今更買っても大丈夫？
株式、債券市場共に明るい兆しの2024年

新NISAもはじまり、S＆P500種指数は19日に史上最高値を更新しました。日経平均株価も史上最高値に近づいてきています。

米国の景気がハードランディングではなく、ソフトランディングの期待が高まっています。また、AIブームから、「マグニフィセント7」として知られている超大型ハイテク株のグループが台頭しています。

米国上場企業の最大手7社とは、（テクノロジー大手の Apple、Microsoft、Google の親会社 Alphabet、Amazon、Meta Platforms）と、新規参入企業の Nvidia と Tesla の2社のことを指します。この7つの銘柄が2023年のS&P 500指数の上昇のほとんどを担い、ベンチマーク指数を強気市場の領域に押し上げることに貢献しました。

グニフィシェント・セブンの時価総額の合計は、中国とアメリカを除いたすべての国のGDPよりも大きくなっています。

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プロフィール

花輪陽子

1級ファイナンシャル・プランニング技能士（国家資格）CFP®認定者。
「ホンマでっか!？TV」などテレビ出演や講演経験も多数。 http://yokohanawa.com/

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新刊情報

『少子高齢化でも老後不安ゼロ シンガポールで見た日本の未来理想図』 (講談社+α新書)

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