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-第230回- 子どもの教育資金はいくらかかる?日本で育てた場合と海外の場合

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-第230回- 子どもの教育資金はいくらかかる?日本で育てた場合と海外の場合

子ども一人を育てるのに、大学卒業までに教育費はどれくらいかかるのでしょうか?

文部科学省の「子どもの学習費調査」(2021年度)によると、子ども一人当たりにかかる1年間の学習費総額は、幼稚園の場合、公立で約16.5万円、私立で約30.9万円、小学校の場合、公立で約35.3万円、私立で約166.7万円、中学生の場合、公立で約53.9万円、私立で約143.6万円、高校生は公立で約51.3万円、私立で約105.4万円です。

幼稚園3歳から高等学校までの15年間の学習費総額はオール公立の場合は約574万円、幼稚園は私立でその他は公立の場合は約620万円、幼稚園と高等学校は私立で小中学校は公立の場合は約781万円、全て私立に通った場合は約1,838万円なのが分かります。

文部科学省によると、国公大学の標準額は入学料が28万2000円、1年間の授業料が53万5800円で、4年間の総額(諸経費含む)は242万5000円となります。文部科学省によると、私立大学(学部)に関しては、入学料は24万8,813円で、授業料91万1,716円、施設設備付18万194円の初年度の合計は134万723円です。なんと、4年間の総額は約462万円です。

ここに下宿代なども加わると、月10万円前後追加の費用がかかるという場合もあります。子どもが1歳差や2歳差などで大学に通う子どもの数が多いと家計は圧迫されます。そのために、子どもが生まれたら大学費用の準備を考える方が多いのです。

さて、シンガポールで子育てをした場合、いくらかかるでしょうか?外国人としてローカルスクールに通わせた場合や日本人学校に通ったケースではざっくりと日本の私立コースくらいかかると考えてもよいでしょう(学校によって変わる)。

インター校の場合、年間400万円前後かかり、15年間など長期になります。そのため、6,000万円程度+海外の大学費用がかかります。海外の大学は渡航先によって分かりますが、寮費なども含めると年間1,000万円前後かかる場合も多いです。

日本では、子育てをしているともらえるお金もあります。年に3回支給される児童手当制度です。児童手当とは、児童を養育する方に手当を支給することで、家庭等における生活の安定及び次代を担う児童の健全な育成に資することを目的とした制度です。

児童手当の支給額は子どもの年齢等によって変わり、3歳未満は月額1万5,000円、3歳以上小学校修了前は第1子・第2子は月額1万円、第3子は月額1万5,000円、中学校は月額1万円 (※児童を養育している方の所得が所得制限限度額以上、所得上限限度額未満の場合は、特例給付として月額一律5,000円を支給)です。

児童手当を使わずに頑張って全部貯めると、子ども1人当たり約200万円程度にもなります。児童手当の他に、子ども1人当たり月1万円を貯めれば、18年間で216万円貯まります。日本の大学に進学をする場合、こうした貯金でも大部分でも賄うことができますが、コースによってはライフプランを早期から考える必要がありそうです。


プロフィール

花輪陽子

1級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)CFP®認定者。
「ホンマでっか!?TV」などテレビ出演や講演経験も多数。 http://yokohanawa.com/

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『少子高齢化でも老後不安ゼロ シンガポールで見た日本の未来理想図』 (講談社+α新書)


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