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-第229回- 米国の貯蓄率の低下とリセッションの関係性

【~連載~FINANCIAL PLANNING シンガポールでおトクに賢く生きる】
-第229回- 米国の貯蓄率の低下とリセッションの関係性

米国ではコロナ禍での過剰貯蓄がピークアウトし、米経済を今年押し上げてきた個人消費の大きな支えが失速する恐れがあります。

Forbes ADVISORによると、米国の個人貯蓄率は4.1%(2023年4月)で、退職金を除いた平均的なアメリカ人の貯蓄は6万5100ドルだそうです。ただし、中央値と平均値との乖離が大きく、住む州によって貯蓄率が大きく変わるようです。ハワイ、カリフォルニア、ニューヨークなどの物価が高いエリアに住むと節約には適さないということです。

アメリカ人の多くが401Kなどで退職金を積み立てていますが、その平均が11万8781ドルだそうです。退職金に関しても中央値と平均値との乖離が大きく開いています。シンガポールに住んでいるアメリカ人は非常に豊かな方が多く、アメリカ人の消費は旺盛で世界経済を支えているのだなと実感をします。

他方で、低所得者層では退職金の準備も十分ではなく、貯蓄も少ない状況です。

米国ではリセッションに入る前には貯蓄率が低水準に陥ることが歴史的に起こっています。

https://fred.stlouisfed.org/series/PSAVERT

消費の大部分は上位1割の富裕層に動かされており、それ以外の中流層は賃金の上昇以上のインフレなどに苦しみ、借金を増やし、貯蓄を下げていることも考えられます。次のリセッションに備えて、副業などで収入を上げる努力をし、予算建てをして固定費などの支出を削減し、運用に回すお金を増やすなどを一気に改善することが求められます。

Fidelity Investments による分析では、退職後に備えた貯蓄の目安として、30歳までに給与の1倍、40歳までに3倍、50歳までに6倍、60歳までに8倍、67歳までに給与の10倍を貯蓄する必要があるということです。

これらの数字は、25歳から少なくとも年間収入の15%を貯蓄し、生涯を通じて貯蓄の平均50%を株式に投資し、退職後のライフスタイルを膨らませることなく、67歳で退職する計画を立てていることを前提としています。

■シンガポールやアジアの旬の情報

日本の夏休みやシンガポールのF1があり、かなり多くの日本人の方がシンガポールに訪問され、その対応等で忙しくしていました。

シンガポールの最近の傾向としては、法人口座や富裕層向けの口座開設の際に書類の確認作業等が増え、開設までに時間がかかる場合があることです。特に非居住者に対しては厳しい場合が多いので、居住している間に口座開設をしておいてもよいのかもしれません。

また、お金で買える人気のタイの居住ビザ、タイランドエリートに関しても20年の物は5倍程度の値上がりをしてなかなか手が出せない値段になってきました。マレーシアのMM2Fに続いてビザが厳格化される傾向にあります。

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プロフィール

花輪陽子

1級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)CFP®認定者。
「ホンマでっか!?TV」などテレビ出演や講演経験も多数。 http://yokohanawa.com/

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Twitter:@yokohanawa
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新刊情報

『少子高齢化でも老後不安ゼロ シンガポールで見た日本の未来理想図』 (講談社+α新書)


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