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-第227回- 株式投資の仕組み

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-第227回- 株式投資の仕組み

今回は基本に戻って株式投資の仕組みを解説します。株式とは株式会社が資金を出資した人に対して発行する証券のことです。株式のオーナーになると、議決権(株主総会の決議に参加できる権利)、配当請求権(配当金を受け取る権利)、残余財産分配請求権(会社が解散した場合に残った会社の資産を分配して受取権利等を得ることができる)など様々な権利があります。上場株式とは、証券取引所で投資家が自由に売買できるように公開されている株式のことです。

企業の情報は各社のホームページからIR(インベスター・リレーションズ、株主・投資家情報)情報を入手したり、会社四季報や投資情報サイトなどから調べることができます。各企業が発表している年次報告書や決算書はホームページから無料で誰でも読むことができ、プロの投資家にとっても投資判断をする上で重要だと言われています。

株式投資をする際に、最低限確認をしておきたい指標が3つあります。

PBR(株価純資産倍率)

PBRとは、株価を1株当りの純資産で割って算出します。ざっくりと、資産に対して株価が安い企業かという目安になります。市場が評価したその企業の値段(時価総額)が、会計上の解散価値である純資産(株主資本)の何倍であるかを表すからです。

算式:株価 ÷ 一株当たり純資産(BPS)

株主には会社が解散した時、会社にある財産が分配され、受けることができるという残余財産分配請求権があります。例えば、株価が500円、BPSが800円のケースでは、PBRは0.625倍となります。解散をしたら、800円を受け取れる企業の株を実質的に500円で購入することができるという意味になります。しかし、実際には企業が解散をして残余財産を受けるというケースはそれほど多くありません。

一般にPBRは1倍割れだと割安だと言われています。しかし、PBRが1倍割れで割安だからその株を買っていいかというと、そうではありません。いくら割安だからと言って、株価が長期間上昇しなければ投資をしたお金はずっと塩漬けになってしまうからです。投資をする判断として、将来的に利益をどれくらい出していけるかというポイントが重点です。なぜなら、PBRが割安でも赤字続きの会社もあるからです。

PER(株価収益率)

PERとは、株価を1株当りの予想純利益(予想EPS)で割って算出をします。株価が1株当たり純利益の何倍まで買われているかを見る指標です。PERは、数値が低いほうが株価は割安と判断されます。成長の高い企業ほど、将来の収益拡大期待が株価に織り込まれ、PERは高くなる傾向になります。一般に同じ業種などでの比較に用います。

算式:株価 ÷ 予想EPS

配当利回り

配当利回りとは、一株当りの年間予想配当(予想1株配当)を株価で割って算出する指標です。

算式:年間配当金 ÷ 株価 × 100

例えば、現在の株価が1,000円で配当金が年30円の場合、配当利回りは3%となります。投資をする際には、年間配当金の予測値で計算をして投資の判断材料にします。


プロフィール

花輪陽子

1級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)CFP®認定者。
「ホンマでっか!?TV」などテレビ出演や講演経験も多数。 http://yokohanawa.com/

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Twitter:@yokohanawa
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