【~連載~FINANCIAL PLANNING シンガポールでおトクに賢く生きる】
-第219回- アメリカがデフォルトするとどうなるの?
「アメリカがデフォルトするとどうなるのでしょうか?」
こんな質問を最近よく受けました。米連法議会上院が日本時間2日に、政府の債務上限の効力を2025年1月1日まで停止する財政責任案を可決しました。それによって、米国の債務不履行(デフォルト)回避が材料視されて株価が上昇しました。
しかし、この問題は過去にも繰り返し起き続けており、今後も発生すると考えられるのでおさらいをしておきましょう。
米国では政府が法律で決められた債務上限に到達をすると、議会の承認がないと追加の借り入れをすることができません。認められない場合は国債の元本償還や利払いに回す資金が調達できなくなりデフォルトに陥るリスクがあります。
金融関係者の間では毎年の恒例行事のように見守っていますが、議会が上下院で多数党が異なる「ねじれ」議会となっている今回は例年以上に議会の承認を得ることが困難なように感じます。6月上旬に米国債がデフォルトに陥る「Xデー」が到来するかどうか注目されていますが、公務員の給与やメディケアの支払いを一時的に止めて国債の利払いを優先させる等の先送りも可能ではあります。
2011年にも米の債務上限問題が深刻になり、8月2日に債務上限がギリギリのところで引き上がったものの、8月5日に米国債の格付けが下がり、前後の約10日間の間に株式市場が大きく下がったということがありました。
S&P500は約17%、ユーロストックは約22%、日経平均は約10%の下落でした。為替も米ドル安になり、金や銀は大きく上昇をしました。株式のポジションが大きい人はプットオプションを数ヶ月間かける、ポジションを一時的に減らす等でリスクを軽減させることが可能です。また、金や銀の価格が上昇をしていますが、こうしたものをポートフォリオに加えて保険をかける等も考えられます。
6月23日にジム・ロジャーズ氏にインタビューをしましたが、相変わらず金や銀は保有しており、「世界の終わりがあるのなら、金や銀をベッドの下に置いておきたい」と言っていました。米国債のデフォルトリスクだけではなく、ウクライナ情勢等地政学的なリスク等、様々なリスクを世界は抱えているからでしょう。
日経平均株価はバブル崩壊後、最高値を更新していますが、外国人投資家が入り込んでいる今、割高になりつつあります。しっかりとシートベルトをして資産運用を心がけるとよいとロジャーズ氏も述べていました。
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プロフィール
花輪陽子
1級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)CFP®認定者。
「ホンマでっか!?TV」などテレビ出演や講演経験も多数。 http://yokohanawa.com/
Website Twitter:@yokohanawa |
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