HOME特集【人材サービス業界】2022年度 シンガポール動向レポート!人材サービス業の躍進を徹底分析

【人材サービス業界】2022年度 シンガポール動向レポート!人材サービス業の躍進を徹底分析

建国以来、自国の人材育成に力をいれると同時に、幅広い分野において外国人労働者を雇用し発展してきたシンガポール。よりよいキャリアと、職環境を求める人々が集まるシンガポールの活発な人材サービス業について詳しくみていきましょう。

シンガポールの労働市場について

コロナ禍により2020年は、史上最悪の失業率をマークしたシンガポールの労働市場でした。しかし、2022年4月からの大幅な国境規制の緩和を受け、より多くの居住者が就職し、非居住者の雇用率も上昇中です

失業率はコロナ感染拡大前の水準にとどまり、再雇用者数も低水準で推移している状況です。強いインフレ圧力やロシア・ウクライナ紛争の継続、世界的なパンデミックの再燃など、油断できない状況ではありますが、過去と同じ苦境は繰り返さず、努力を怠らないシンガポール。来るべき苦境を乗り越えるべく、さまざまなプランを練っているようです。

現地・外国人人材の雇用状況

近年の外国人人材の雇用状況は、現地人雇用の約4割となっています。

出典:シンガポール人材開発省(Ministry of Manpower)Trading Economics

現地人優遇政策

シンガポールは建国以来、積極的に外国人労働者を採用し、国の発展を進めてきました。しかし2010年以降、次第に外国人の労働力に依存することに危機感を強めた政府は、シンガポール国民の雇用を守るため、外国人労働者の雇用コストの引き上げと自国民の雇用機会の拡大政策を繰り返し行ってきました。

その動きはコロナ禍を経て、ここ数年さらに厳しくなっています。一番記憶に新しいできごとが、2022年9月からの就労ビザ申請に関する改定です。新規のEP(Employment Pass)取得の条件である最低給与の金額が、S$500ずつ引き上げられました。このような改定により、海外からの駐在員の派遣の代替として、日本語のできるシンガポール人の採用の増加などが期待されます。

一方、政府は外国人労働者に対して「シンガポール人と同等もしくは、それ以上の能力のある海外の人材に対して就労ビザを発給する」ポリシーを打ち出しています。そのため、世界的にも高い技術力の取得に力を入れていることから、能力の高い技術者に対して「Tech.Pass」とよばれる就労パスの受付を2021年より行うなど、厳格化しつつも海外からの高い技術は取り入れていく姿勢を示しています。

【関連記事】
【2022年10月】シンガポールの就労ビザ制度が変更?!プロが詳細と対策を解説!
シンガポールの就労ビザの特徴と取得のコツをご紹介

現地の人材の育成

優秀な外国人労働者を受け入れる一方で、現在政府が行っている現地の人材育成のプログラムには、以下のようなものがあります。

・金融セクターのシンガポール人の海外赴任を支援するInternational Posting Programme (iPOST)。
・海外インターンシップを支援する Global Ready Talent Programme。
・セクターを超えた企業の現地リーダー育成を支援するSkillsFuture Leadership Development   
 Initiative。
・学生時代やキャリア初期、キャリア中期、シルバー世代など、幅広い年代層の人スキルの習得をサポートし、
さまざまなリソースを見つけることができるSkillsfuture。

このような育成を通じて、政府はシンガポールのローカル人材と世界中から集まる優秀な外国人労働者との協力により、活気あるグローバル都市をつくりあげることを目指しています。

さらに、これは今年の予算で発表された、新しいシンガポール グローバル エグゼクティブ プログラム(The Singapore Global Executive Programme)を補完するもので、将来に向けてシンガポール人の雇用の機会を社会に生み出します。

※The Singapore Global Executive Programme :シンガポール国内の企業が、地域または世界のリーダーとして活躍できる若い人材を育成することを支援するプログラム。

人材サービス業とは

一般的な人材サービス業

さて、人材サービス業ではどのような業務を行っているのでしょうか?主に5つの業務があります。

・人材紹介業務
必要な人材を求めている企業に適切な求職者を紹介する業務です。

・人材派遣業務
事前に人材サービス会社に登録している労働者を、顧客企業が求めるスキルに応じて必要期間に応じて派遣する業務です。

・求人広告業務
企業の求人情報をWebメディアや求人情報誌、フリーペーパーなどに掲載し、就業希望者への情報提供を行います。その後、企業へのマッチングを行う場合もあります。

・アウトソーシング
顧客企業の人事業務や経理業務、コールセンターなどの仕事を一括で請け負う業務です。労働者の勤怠管理が含まれます。顧客企業にとっては、本業の業務に人材を集中させることができるメリットがあります。

・転職サポート
転職を希望する顧客の転職理由や希望条件、キャリアカウンセリングなどを行い、エージェントが保有する求人から適切な職場を選び、提案を行う業務です。

シンガポールの人材サービス業の種類

シンガポール人材開発省(MOM)からライセンスを取得した人材紹介会社(Employment Agencies)の一覧によるとライセンスを受けている会社は約4,000社ほどにもなります。多種多様な人種や文化が入り混じる、シンガポールならではの人材サービス業の種類があります。

・シンガポール人や外国人のホワイトカラーを対象とし、正社員や短期契約の契約社員、
再就職支援、エグゼクティブ サーチ(ヘッドハンティング)を業務範囲とする人材サービス会社。

・家事労働者の斡旋を専門とする 家事労働者紹介所。

・建設業や製造業、サービス業を対象に外国人労働者を派遣する労務派遣専門会社。

・外国人コントラクトワーカーを採用して製造業や建設業、サービス事業者向けに一部の労務を請け負う
労務請負サービス。

日系企業が多く進出

シンガポールには日本人が多く住んでいることから、日系の人材サービス会社が数多く進出しています。日本語への対応や日系企業専門の人材サービス会社など、さまざまなニーズに対応した会社があります。日系人材サービス会社は初めてシンガポールで就職活動を行う人にとって、労働情報だけでなく、生活情報などのコミュニケーションの場ともなり、貴重な存在にもなり得ます。

ローカル系や欧米系も多い

シンガポールにはさまざまな国の人材サービス会社があります。シンガポールローカル大手ではアジア10カ国に展開するHRnetGroup、アメリカが本拠地の欧米系の会社やオランダ、スイスなどヨーロッパ資本の会社などです。欧米の外資系人材会社には言葉の壁がないため、シンガポールでビジネスを本国と同様に広げていきやすいメリットがあります。

活発なシンガポールの人材サービス業界

多国籍企業の進出が多く見られるシンガポールでは、即戦力となる経験者人材のニーズが転職志向の強いシンガポール文化にぴったりと当てはまり、労働市場は常に活発な状態といえます。日本人のように勤務先に対する忠誠心が低く、より良いキャリアや報酬のために転職する傾向がシンガポールでは強いようです。

シンガポールの人材サービス会社のご紹介

Reeracoen Singapore Pte. Ltd.

アジアの7つの国と区域で展開している日系の人材サービス会社です。主にシンガポールでビジネスを展開している企業の採用サポートやシンガポールへ転職を検討している求職者の方への就業支援を行っています。

業務内容は人材紹介やビジネスサポート(ビザ代行など)、エグゼクティブサーチ、人事コンサルティング、業界エキスパートとの面談アレンジなどです。経験豊富なコンサルタントによるきめ細かく、タイムリーな人材マッチング、また、親身なキャリアコンサルタントのキャリアコーチングにより、年間500名以上の成立実績を実現させています。

韓国企業と韓国語スピーカーの方とのマッチングを行う専門チームも発足したため、韓国企業への就職を希望している方にもおすすめの人材サービス会社です。

【企業情報
Reeracoen Singapore Pte. Ltd.(リーラコーエン シンガポール)
住所:3 Anson Road, #08-03 Springleaf Tower S079909 
最寄り駅:Tanjong Pagar駅
電話番号:6557 0135
WEBサイト
企業情報の詳細・お問い合わせはこちら

RGF Talent Solutions Singapore Pte. Ltd.

RGF Singaporeはメンバーレベルからエグゼクティブレベルの求人を包括的に取り扱っています。他社では取り扱っていないリクルートグループならではの珍しい求人も多くあるのが特徴です。

ローカル採用はもちろんのこと、特にマルチナショナル企業からの日本語が求められる求人や日系企業からの求人取り扱いに強みがあります。

幅広いレベルでの人材を紹介しており、業界を熟知したコンサルタントが職種を問わず、求職者へのマッチングを行っています。日本人8人体制により、日本語での細かい打ち合わせも可能です。

【企業情報
RGF Talent Solutions Singapore Pte. Ltd.
(アール ジー エフ タレント ソリューションズ シンガポール)
住所: 77 Robinson Road #27-01 S 068896
最寄り駅:Down Town駅、Tanjong Pagar駅、Telok Ayer駅
電話番号:6398 3260
WEBサイト
企業情報の詳細・お問い合わせはこちら

シンガポールのアウトソーシング会社のご紹介

Mamasan&Company Inc.

「徹底的にオリジナルな思考で、作ることを楽しみ続ける!」を企業理念とし、創業2008年~独自の組織型テレワークでBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)を提供してきました。

BPOをご依頼いただくことで、すべての業務をオンライン化でき、DX化(デジタルトランスフォーメーション)を効率良く進めることにつながります。 すでにシステム導入をされていて効果が見えづらい場合は、導入以前と同じフローで業務を行っているからかもしれません。ぜひご相談ください。

【企業情報】
Mamasan&Company Inc.
住所:〒102-0083
東京都千代田区麹町6-6-2 番町麹町ビルディング WeWork(受付5F)
最寄り駅:JR各線 四ツ谷駅、
東京メトロ 丸ノ内線・南北線 四ツ谷駅
東京メトロ 有楽町線 麹町駅
電話番号:+81 03 6387 3434
WEBサイト
企業情報の詳細・お問い合わせはこちら

ニーズが絶えないシンガポールの人材サービス業

シンガポールの人材サービス業の動向はいかがでしたでしょうか?シンガポール政府の積極的な外国人労働者の受け入れや政府による自国民の熱心な雇用サポートにより、シンガポールが高みをもって働く人にとって魅力的な都市を実現していることがわかります。このように、シンガポールで切磋琢磨してキャリアを磨いていく人々のサポートはニーズが絶えることなく、今後も動向から目が離せない業界の一つです。

【関連記事】
【旅行業界】2022年度 シンガポール動向レポート!旅行業界の今はどうなってる?

【不動産業界】2022年度 シンガポール動向レポート!不動産業界を知る

【食品製造業界】2022年度 シンガポール動向レポート!業界の特徴や日系企業進出理由を分析

【物流業界】シンガポール動向レポート!物流業界を徹底分析

【清掃業界】2022年度 シンガポール動向レポート!国策や賃金の推移などを徹底分析

●記事内容は執筆時点の情報に基づきます。

チェックしたサービス0件を
まとめて請求 まとめて問い合わせ