HOMEコラム【~連載~FINANCIAL PLANNING シンガポールでおトクに賢く生きる】
第293回 1日数100円も「ちりつも」で数100万円に?ラテマネーについて考える

【~連載~FINANCIAL PLANNING シンガポールでおトクに賢く生きる】
第293回 1日数100円も「ちりつも」で数100万円に?ラテマネーについて考える

ラテマネーとは

みなさんは「ラテマネー」をご存知でしょうか?カフェのラテ1杯ほどの小さな出費が習慣となり、気づかぬうちに家計を圧迫する現象を指すという言葉です。アメリカの資産アドバイザー、デヴィッド・バック氏が著書『オートマチック・ミリオネア』で提唱した概念で、意識せず使ってしまう少額の支出が、資産形成の妨げになると説いています。

例えば、毎日150円〜300円程度の飲み物やちょっとしたお菓子に使うだけで、年間では数万円、長期では数百万円と、大きな額になり得るのです。

ラテマネーに注意するには

支出の見える化

ラテマネーを意識する第一歩は、出費を記録して可視化することです。ダイエットで毎朝体重を測るのと同じで、「数字で管理する」ことが行動改善につながります。私は半年で体重の1割を落とした経験がありますが、その際に一番役立ったのは毎朝の計測と記録でした。出費も同様で、家計簿アプリやレシートを活用し、自分のお金の「出どころ」を把握することが大切です。

頻度のコントロール

「毎日買っていたコーヒーを週2回に減らす」「コンビニに寄る回数を減らす」など、回数そのものを意識してコントロールしましょう。小さな頻度調整が、長期では大きな節約につながります。

予算化・仕組み化

あらかじめ「ラテマネーの予算」を決め、キャッシュレス決済の履歴などで実際の消費傾向をチェックすると、無意識の出費を抑えやすくなります。さらに、浮いたお金を投資に回すことも有効です。例えば月3,000円を年利3%で運用すれば、10年後には約42万円になります。小さな習慣が将来の資産形成の起点となるのです。

ラテマネー悪だと思い込まない

一方で、ラテマネーがわるいという単純な見方には批判もあります。日々の小さな楽しみが、人生のモチベーションや人との関わりを支えることもあるからです。すべてを切り詰めるのが最善とは限りません。バランスをとりつつ、必要な楽しみを残しながら節約と資産形成を両立することが重要です。

まとめ

ラテマネーを管理するには、記録する → 頻度を調整する → 予算化する → 投資に回す、という流れが有効です。そのうえで、「楽しみを完全に排除しない」柔軟さを持つことが、長く続けられる節約術につながります。

 


プロフィール

花輪陽子

1級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)CFP®認定者。

「ホンマでっか!?TV」などテレビ出演や講演経験も多数。 http://yokohanawa.com/

Website
Twitter:@yokohanawa
Facebook

新刊情報

世界標準の試算の増やし方
豊かに生きるための投資の大原則
河北博光[著]/花輪陽子[執筆協力]

バックナンバーはこちら
【花輪陽子のFinancial Planning】

 

チェックしたサービス0件を
まとめて請求 まとめて問い合わせ