【~連載~FINANCIAL PLANNING シンガポールでおトクに賢く生きる】
第288回 日米関税交渉と日本株の行方は 海外でゴールドを購入、保管するには

日米関税交渉の延長期日が7月9日に迫る中、トランプ大統領がコメなどに対して発言をするなど圧力をかけているように感じます。トランプ氏が言うコメの関税が700%というのは誇張された表現で、現在の輸送費込みの価格から計算をすると実行関税レートは230%前後だと言われています。
その他にも対日関税を30~35%に引き上げる可能性を示唆しています。現状は相互関税10%、自動車関税25%、鉄鋼関税50%などです。
日米関税交渉7/9に延長期日が迫る中、日本株の行方は
ヘッジファンドマネージャーとFPが語る #株式投資に役立つ経済ニュース
そんな中でもアメリカ経済は底堅く推移しており、S&P500は過去最高を更新しています。7月3日発表された米雇用統計は雇用者数が市場予想以上に増え、失業率は低下し、米景気の悪化懸念は後退ししています。また、4日にはトランプ政権の大型の減税・歳出法案が成立しました。
為替レートは米ドル円は1ドル140円前半で落ち着いて推移していますが、対ユーロは1ユーロ170円に迫るなど、昨年7月に行った為替介入を行った時の1ユーロ175円が意識され始めています。
日本株は日米関税交渉の行方、参院選の行方などリスク要因が複数ありますが、中東リスクがなくなったわけではないですが、世界経済は強く今のところマーケットも堅調に推移しています。
■海外でゴールドを購入、保管するには
さて、金先物価格(8/25限月)が1オンス3,350ドル付近まで上昇する中、個人の富裕層なども引き続き金を求める方が多いです。
もちろん、価格上昇だけを狙って取引をする場合、ETF(上場投資信託)を利用することができます。ETFの信託報酬などを支払う必要はありますが、手軽に投資ができます。もちろん金を眺めることもできないので、つまらない投資ではありますが。
富裕層の間では現物が人気です。何かあった時に手で持ち運べるコインを好む方、インゴット(金属を精錬して塊状にしたもの)を好む方など様々です。世界三大投資家で著名なジム・ロジャーズ氏もジャケットのポケットに金や銀のコインを入れており、周りの人へのプレゼントに金や銀のコインを渡すこともあるそうです。
日本では金というと、自宅で保管をしている方もいますが、セキュリティーの観点からはお勧めできません。また、銀行の貸金庫も様々な問題が明るみに出てきて、貸金庫サービスをストップさせる金融機関も増えています。
そんな中、富裕層の中には、海外で金を購入し、海外の倉庫で金を保管したいというニーズもあります。海外で金を購入し、保管をしたとしても、本人が日本に住んでいる場合は、日本の税金から逃れることは難しいです。
しかし、資産を安全な場所に保管しておきたい、資産の置き場の分散など他の目的で検討をされる方も多いです。保管場所として人気のある国はどこでしょうか。金の保管場所として重要なポイントは政治的・経済的に安定しており、安全性・透明性が高い国を選ぶことが重要です。スイスやシンガポールなどが保管場所として人気が高いです。
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プロフィール
花輪陽子

1級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)CFP®認定者。
「ホンマでっか!?TV」などテレビ出演や講演経験も多数。 http://yokohanawa.com/
Website Twitter:@yokohanawa |
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