【~連載~FINANCIAL PLANNING シンガポールでおトクに賢く生きる】
-第233回- 日本の不動産、どこの国の人が一番買っている?
シンガポールのファミリーオフィスなどで外国人に人気のある投資先が日本の不動産です。円安の影響もあって、昨年末も日本の不動産を求める外国人投資家が増えましたが、今年も同じことが起きていると肌感覚で感じます。
富裕層の顧客の多くが米ドルを保有しており、為替レートから相対的に安くなっている日本の不動産が注目されているからです。麻布台ヒルズの200億円のレジデンスは既に売約済みになっていますが、資産バブルから東京のレジデンスの価格が高騰し続けています。
さて、日本の不動産をどんな人が買っているのでしょうか。
シンガポールの機関投資家の購入などもメディアで聞きますが、最近は米国人の富裕層などアジアだけではなく、欧米など様々な国の方からの問い合わせを多く聞きます。
外国人投資家の場合、直接個人で不動産を購入するのではなく、日本に法人を立てて保有するなどのスキームが一般的なようです。それによって銀行融資を受けたり、税金のメリットがあるようです。投資金額によって、有利なスキームを使い、賃貸に出す場合は日本の管理会社がワンストップでサービスを提供するようです。
日本の不動産は外国人の購入に対して高い税率を課すこともなく、自由にフリーホールドで保有ができます。多くの国では土地の保有などに規制をかけていたりするために、フリーホールドで購入ができるというと驚かれます。
このまま規制をかけないと、バブルが膨らみ続け、都心3区は超富裕層しか住めない世界になるのではないかと思います。現在でも一般的な共働き夫婦はペアローンを組んでも都心のマンションに手が出ないという悩みを多く聞きます。また、港区などの中心部にはあまり人がいない(いても年齢層が高い富裕層のみ)という状況です。
資産バブルによって、リーマンショック後のあたりから不動産投資をし続けている人はワンルームマンション投資であってもかなりの資産になっている方もいます。
シンガポールは高額な印紙税を課して不動産バブルを早期から潰す政策を取っていますが、日本政府はバブルを放置しているように感じます。当面、このトレンドは続きそうですが、今後の行方を慎重に見守りたいと思います。
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プロフィール
花輪陽子
1級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)CFP®認定者。
「ホンマでっか!?TV」などテレビ出演や講演経験も多数。 http://yokohanawa.com/
Website Twitter:@yokohanawa |
新刊情報 |
『少子高齢化でも老後不安ゼロ シンガポールで見た日本の未来理想図』 (講談社+α新書)
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